Sweep Frequency Tympanometryに関する研究―周波数音圧曲線, 周波数位相差曲線のパラメータ主成分分析による診断法

「緒言」 耳小骨病変の術前診断, すなわち離断か固着かの術前診断は, 聴力改善手術の適応や術式決定に大切であることは言うまでもない. また, 耳小骨連鎖の固着部位の診断が, 手術成功率の推定に極めて有用であることは, すでにFunasaka1)によって報告されている. しかし耳小骨は小さいため, 画像診断, たとえば高分解能CTを用いても確実な診断は困難である. またチンパノメトリーは中耳の病態を知るのに有効な機能的診断法であるが, 市販のインピーダンスメータの多くはプローブ音が220Hzと低いため, 中耳インピーダンスのうち, 主にスチフネフ・リアクタンスの変化が反映される. このためマス・...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1989-06, Vol.92 (6), p.923-1003
Hauptverfasser: 寺田俊昌, 船坂宗太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 耳小骨病変の術前診断, すなわち離断か固着かの術前診断は, 聴力改善手術の適応や術式決定に大切であることは言うまでもない. また, 耳小骨連鎖の固着部位の診断が, 手術成功率の推定に極めて有用であることは, すでにFunasaka1)によって報告されている. しかし耳小骨は小さいため, 画像診断, たとえば高分解能CTを用いても確実な診断は困難である. またチンパノメトリーは中耳の病態を知るのに有効な機能的診断法であるが, 市販のインピーダンスメータの多くはプローブ音が220Hzと低いため, 中耳インピーダンスのうち, 主にスチフネフ・リアクタンスの変化が反映される. このためマス・リアクタンス成分である耳小骨病変の検査法としては不十分であり, 事実耳小骨病変の診断適中率は低いとの報告も少なくない. そこで, より高いプローブ音を用い, マスリアクタンスの異常を検出することが必要となってくる.
ISSN:0030-6622