高分解能CTによるアブミ骨上部構造の読影

「I. はじめに」 耳小骨, 特にアブミ骨の形態・侵襲の程度を術前に把握することは重要である. 近年, 高分解能CTの出現により側頭骨の画像診断能力は向上したが, アブミ骨などの微細構造がどの程度診断可能であるかについてのの解明は不十分である. 今回は正常耳, 慢性中耳炎, 耳小骨奇形, 耳小骨外傷の高分解能CTでアブミ骨およびその周囲の状態を読影し, 手術所見と比較した結果, アブミ骨の読影に関して若干の知見を得たので報告する. 「II. 対象及び方法」 対象とした症例は以下の通りである. 1)正常耳, 80症例148耳. 2)慢性中耳炎(真珠腫も含む)手術でアブミ骨病態を確認した68症例7...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1989-03, Vol.92 (3), p.383-485
Hauptverfasser: 堀内康治, 船井洋光, 市村恵一, 飯沼壽孝, 小山和行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」 耳小骨, 特にアブミ骨の形態・侵襲の程度を術前に把握することは重要である. 近年, 高分解能CTの出現により側頭骨の画像診断能力は向上したが, アブミ骨などの微細構造がどの程度診断可能であるかについてのの解明は不十分である. 今回は正常耳, 慢性中耳炎, 耳小骨奇形, 耳小骨外傷の高分解能CTでアブミ骨およびその周囲の状態を読影し, 手術所見と比較した結果, アブミ骨の読影に関して若干の知見を得たので報告する. 「II. 対象及び方法」 対象とした症例は以下の通りである. 1)正常耳, 80症例148耳. 2)慢性中耳炎(真珠腫も含む)手術でアブミ骨病態を確認した68症例71耳. 3)手術でアブミ骨の病態を確認した耳小骨奇形5症例6耳, 外傷性耳小骨離断1症例1耳. 高分解能CTには全身用東芝スキャナTCT60Aを使用した. スライス方向は軸位断層とし, スライス厚2mm, スライス間隔1mmでCT画像(オーバーラップスキャン)を得た後, 側頭骨領域の生データを再計算(骨用のアナゴリズム:東芝FC3)し拡大画像(target view)を得た.
ISSN:0030-6622