人胎児例における側頭骨含気蜂巣の発育 - 豚実験例における蜂巣発育, 抑制過程との比較から
我々は過去の豚を用いた動物実験から, 含気腔内に加わった炎症性刺激により, 蜂窩の発育過程が障害されて蜂窩の抑制状態を呈するものと結論してきた. そこで今回はこのような抑制過程が人間例でも起こり得るものか, 人胎児例百側について検討を加えてみた. その結果人胎児の腔形成様式は, 初期には軟骨性耳嚢を中心としてその周囲に腔を形成するが, 胎生末期には側頭骨が外後下方へ大きく発育するにつれてその内腔面で, 豚の実験例にみられた蜂窩発育様式と同じ骨代謝様式で蜂窩が形成されており, この発育様式は生後も継続していくものと推測された. この事実より人間例でも同様な過程で蜂窩の抑制状態を生ずるものと考えら...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 1988-08, Vol.91 (8), p.1220-1339 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我々は過去の豚を用いた動物実験から, 含気腔内に加わった炎症性刺激により, 蜂窩の発育過程が障害されて蜂窩の抑制状態を呈するものと結論してきた. そこで今回はこのような抑制過程が人間例でも起こり得るものか, 人胎児例百側について検討を加えてみた. その結果人胎児の腔形成様式は, 初期には軟骨性耳嚢を中心としてその周囲に腔を形成するが, 胎生末期には側頭骨が外後下方へ大きく発育するにつれてその内腔面で, 豚の実験例にみられた蜂窩発育様式と同じ骨代謝様式で蜂窩が形成されており, この発育様式は生後も継続していくものと推測された. この事実より人間例でも同様な過程で蜂窩の抑制状態を生ずるものと考えられた. |
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ISSN: | 0030-6622 |