モルモットにおけるカナマイシン慢性投与時聴性誘発反応の一過性増大に関する実験的研究

CM, AP, ABR等の電気生理学的方法を用いて, カナマイシン慢性投与モルモットの反応一過性増大を記録観察した. ABR増大は, KM投与群14匹中5匹に一過性に見られ入出力関係曲線では, 高音圧部に急峻化, 増大のリクルートメント様現象を, 低音圧部では域値の上昇を示した. 一過性増大の数日後誘発反応は完全消失した. 音負荷後回復実験を, コントロール群で行い, 100%回復に5分を要する結果を得たが, ABR一過性増大群に行った回復実験では, 回復時間は10分と遅延した. これらの結果から, カナマイシン慢性投与時に出現するABR振幅増大が, 正常機能の亢進でなく, 機能的異常の早期発...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1987-12, Vol.90 (12), p.1968-1974
Hauptverfasser: 八木英晴, 時本孝行, 中井義明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:CM, AP, ABR等の電気生理学的方法を用いて, カナマイシン慢性投与モルモットの反応一過性増大を記録観察した. ABR増大は, KM投与群14匹中5匹に一過性に見られ入出力関係曲線では, 高音圧部に急峻化, 増大のリクルートメント様現象を, 低音圧部では域値の上昇を示した. 一過性増大の数日後誘発反応は完全消失した. 音負荷後回復実験を, コントロール群で行い, 100%回復に5分を要する結果を得たが, ABR一過性増大群に行った回復実験では, 回復時間は10分と遅延した. これらの結果から, カナマイシン慢性投与時に出現するABR振幅増大が, 正常機能の亢進でなく, 機能的異常の早期発現と考えられた.
ISSN:0030-6622