下咽頭癌に対する頸部食道再建後の唾液瘻 - 術前照射量と発生頻度との関係からみた各種有茎弁法の選択基準
下咽頭頸部食道癌の治療において, 再建外科の占める役割はきわめて大きい. 1968年にBakamjianによって開発されたDP皮弁法は, 良い再建法のなかった当時としては画期的な手術法であり, axial pattern flapという概念導入のきっかけともなって, わが国でも多くの症例に応用された. しかしその欠点は, 二期的であるために長期間を要することと, 二次手術後に食道吻合部の唾液瘻を生じ易く, そのためにさらに長期間を費やす結果となることであった. そこで, 吻合法に工夫がなされ, 茎部の中央に縦切開を入れてそこへ食道断端を端々吻合するスリット法が開発された. 一方, 二期的で長時...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 1987-07, Vol.90 (7), p.1042-1048 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 下咽頭頸部食道癌の治療において, 再建外科の占める役割はきわめて大きい. 1968年にBakamjianによって開発されたDP皮弁法は, 良い再建法のなかった当時としては画期的な手術法であり, axial pattern flapという概念導入のきっかけともなって, わが国でも多くの症例に応用された. しかしその欠点は, 二期的であるために長期間を要することと, 二次手術後に食道吻合部の唾液瘻を生じ易く, そのためにさらに長期間を費やす結果となることであった. そこで, 吻合法に工夫がなされ, 茎部の中央に縦切開を入れてそこへ食道断端を端々吻合するスリット法が開発された. 一方, 二期的で長時間を要するという欠点を解消するために, 胃や結腸などの腹部消化管を有茎性につり上げるpull up operationが外科領域で広く行われると同時に, 大胸筋皮弁に代表される筋皮弁法が一期的手術法として開発された. |
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ISSN: | 0030-6622 |