脳血管障害者の聴覚反応時間における左右差の研究
一側大脳半球障害者に対して聴覚反応時間の測定を行い, 聴覚機能の評価を試みた. 単純反応, 弁別過程時間とも左右耳の反応に有意差があり, 麻痺側耳の反応が著しく延長した. 反応の延長は, 単純反応では左・右耳に, 弁別過程では麻痺側耳に限って認められた. 両耳音弁別過程は, 左片麻痺群において著しい延長を認めた. また, 健側耳に選択すべき刺激音が聞こえた時に誤りやすい傾向を認めた. 一側大脳半球障害例の聴覚においては, 健側耳を優位に傾聴していると考えられ, 聴覚機能の低下は反応時間の延長, 左右差, 誤反応傾向によって推定可能であると考えた....
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 1985-12, Vol.88 (12), p.1684-1775 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 一側大脳半球障害者に対して聴覚反応時間の測定を行い, 聴覚機能の評価を試みた. 単純反応, 弁別過程時間とも左右耳の反応に有意差があり, 麻痺側耳の反応が著しく延長した. 反応の延長は, 単純反応では左・右耳に, 弁別過程では麻痺側耳に限って認められた. 両耳音弁別過程は, 左片麻痺群において著しい延長を認めた. また, 健側耳に選択すべき刺激音が聞こえた時に誤りやすい傾向を認めた. 一側大脳半球障害例の聴覚においては, 健側耳を優位に傾聴していると考えられ, 聴覚機能の低下は反応時間の延長, 左右差, 誤反応傾向によって推定可能であると考えた. |
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ISSN: | 0030-6622 |