頸椎椎弓形成術の周術期医療標準化の工夫: 患者用クリニカルパスを有効利用した患者の不安軽減と術後在院日数コントロール
頸椎椎弓形成術では、術後の安静期間やリハビリテーション等により術後10日間を超える比較的長い入院期間を要するため退院計画が重要である。退院後の生活への不安や家族の迎えの都合など、治療と直接関係のない事象に起因する術後在院日数延長という負のバリアンス削減と周術期医療に対する患者満足度の向上を目的とし、極力文字数を減らし治療経過をわかりやすくデザインした患者用パスに改訂し、入院中にこれを積極的に使用するように運用を変更した。患者用パスに退院予定日を明示し、これを入院期間中ベッドサイドに掲示し、日々医療担当者が治療経過や到達目標の説明に使用した。その結果、患者の不安による術後在院日数に関する負のバリ...
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Veröffentlicht in: | 日本クリニカルパス学会誌 2017/09/15, Vol.19(3), pp.208-214 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 頸椎椎弓形成術では、術後の安静期間やリハビリテーション等により術後10日間を超える比較的長い入院期間を要するため退院計画が重要である。退院後の生活への不安や家族の迎えの都合など、治療と直接関係のない事象に起因する術後在院日数延長という負のバリアンス削減と周術期医療に対する患者満足度の向上を目的とし、極力文字数を減らし治療経過をわかりやすくデザインした患者用パスに改訂し、入院中にこれを積極的に使用するように運用を変更した。患者用パスに退院予定日を明示し、これを入院期間中ベッドサイドに掲示し、日々医療担当者が治療経過や到達目標の説明に使用した。その結果、患者の不安による術後在院日数に関する負のバリアンスが大きく減少し、二次的に平均術後在院日数も減少した。患者アンケートを行った結果、インフォームド・コンセントの充実、不安の解消の面で高い評価が得られた。また医療担当者にとっては、患者用パスを通したコミュニケーションにより、医療の標準化の中で置き去りにされがちな患者の心理面への対応や、個々の退院後の生活様式を考慮した指導が可能となり、退院調整への負担軽減や、指導・説明が標準化されるなどのメリットが生まれた。術前から退院基準と退院予定日を明示するなどの患者教育の充実と術後早期からの退院後の日常動作を意識した生活指導に加え、患者用パスの有効利用により円滑な退院調整とパスの運用が可能となった。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.19.3_208 |