バリアンス収集方法による分析結果の比較

目的:バリアンス収集方法の違いを検証する。方法:バルーン椎体形成術(Balloon Kyphoplasty:BKP)パス27回を対象に、4種類のバリアンス収集方式別にバリアンス収集・分析を行い、バリアンス件数、提案された改善策の内容を検討した。結果:退院時バリアンスは8件発生し、手術直後からのリハビリテーションに関する提案がなされた。センチネル方式では4項目のクリティカルインディケーターに対して23件のバリアンスが発生し、患者状態に応じたパスの作成、手術直後からのリハビリテーションの強化、痛みに関する観察とアウトカムの追加が提案された。ゲートウェイ方式では92項目の日々のアウトカムに対して24...

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Veröffentlicht in:日本クリニカルパス学会誌 2016/09/10, Vol.18(3), pp.211-219
Hauptverfasser: 勝尾, 信一, 吹矢, 三恵子, 中川, 美絵, 片岡, 亜季子, 清水, 秀美, 坂下, 香苗, 吉岡, 準平, 吉田, 仁美, 見澤, 美雪, 吉江, 由加里
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:バリアンス収集方法の違いを検証する。方法:バルーン椎体形成術(Balloon Kyphoplasty:BKP)パス27回を対象に、4種類のバリアンス収集方式別にバリアンス収集・分析を行い、バリアンス件数、提案された改善策の内容を検討した。結果:退院時バリアンスは8件発生し、手術直後からのリハビリテーションに関する提案がなされた。センチネル方式では4項目のクリティカルインディケーターに対して23件のバリアンスが発生し、患者状態に応じたパスの作成、手術直後からのリハビリテーションの強化、痛みに関する観察とアウトカムの追加が提案された。ゲートウェイ方式では92項目の日々のアウトカムに対して243件のバリアンスが発生し、センチネル方式に対する上乗せ分として、手術後合併症の早期発見に関して検討された。オールバリアンス方式では1,495件のバリアンスが発生し、骨粗鬆症治療薬の追加、持参薬中止・再開の確認、手術後SpO2 測定回数の増加、退院時診療情報提供書要不要の確認が提案された。発生要因は、ゲートウェイ方式では98.8%が患者・家族要因であったが、オールバリアンス方式では77.4%であった。バリアンス件数・改善策の特徴は、過去の報告どおりであった。結論:バリアンス分析にかかる労力は、バリアンス件数だけでなく、分析手法によって異なってくる。バリアンス分析に注ぎ込める労力と、提案される改善策の及ぶ範囲を考慮して、バリアンス収集方法を選ぶことをお勧めする。
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.18.3_211