前立腺がん地域連携パス運用開始1年後の現状と課題
佐世保市立総合病院における前立腺がん地域連携パスは、国の政策とは関係なく長崎県の統一パスに基づいて独自に進め、2013年7月より運用を開始した。運用開始後は、月毎の院内カンファレンス、かかりつけ医を対象とした地域連携セミナーを開催し、定期受診患者を迎えるにあたっては受診日時を知らせるFAXによる通知や簡潔に記載できる紹介状を作成して円滑に運用できることを念頭に取り組んだ。 2014年7月に運用開始後1年が経過し、クリニカルパス(以下、パス)導入患者数は237件、バリアンスは7件と順調な運用経過といえる。 今回、地域連携に参加している患者とかかりつけ医の双方にアンケートを実施した。患者対象のアン...
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Veröffentlicht in: | 日本クリニカルパス学会誌 2016/03/15, Vol.18(1), pp.31-36 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 佐世保市立総合病院における前立腺がん地域連携パスは、国の政策とは関係なく長崎県の統一パスに基づいて独自に進め、2013年7月より運用を開始した。運用開始後は、月毎の院内カンファレンス、かかりつけ医を対象とした地域連携セミナーを開催し、定期受診患者を迎えるにあたっては受診日時を知らせるFAXによる通知や簡潔に記載できる紹介状を作成して円滑に運用できることを念頭に取り組んだ。 2014年7月に運用開始後1年が経過し、クリニカルパス(以下、パス)導入患者数は237件、バリアンスは7件と順調な運用経過といえる。 今回、地域連携に参加している患者とかかりつけ医の双方にアンケートを実施した。患者対象のアンケート結果では、「地域連携を紹介された時」と「現在」の気持ちについて、「すごくありがたい」または「ありがたい」と答えた患者が増加した反面、かかりつけ医の診療に対して不安を抱えている患者がいることも明らかになった。かかりつけ医を対象としたアンケート結果では、「パスの継続は可能だ」と答えた医療機関は、回答した47施設中46施設であった。また、「未加入のパスに対して今後参加の意思がある」と答えた施設は半数以上を占める結果となり、おおむね良好な結果を得ることができた。 今後の課題として、連携先のさらなる拡大とバリアンスを認めた場合の解析を行い、アウトカムの妥当性を検証しながら、連携パスを改良し円滑な地域連携が図れるよう取り組む予定である。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.18.1_31 |