低出生体重児・早産児クリニカルパスの作成
小児科はクリニカルパス(以下、パス)導入が他科に比べて遅れている分野である。特に、新生児疾患は病態に動きが多いことからパス導入が困難と考えられている。当院は分娩件数が月平均60件と多く、低出生体重児や早産児も多くみられる。そこで低出生体重児・早産児クリニカルパスを作成し、その有効性について検討した。適応基準は出生体重2,500g未満、在胎週数35週以上37週未満として、積極的治療が必要とならない新生児を対象とし、観察の標準化と早期のケア介入を目的とした。観察項目は新生児に起こりうる病態に対応できるものを設定し、それぞれに評価基準を設けて標準化を図ることができるパスを作成した。2011年9月から...
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Veröffentlicht in: | 日本クリニカルパス学会誌 2015/03/10, Vol.17(1), pp.30-36 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児科はクリニカルパス(以下、パス)導入が他科に比べて遅れている分野である。特に、新生児疾患は病態に動きが多いことからパス導入が困難と考えられている。当院は分娩件数が月平均60件と多く、低出生体重児や早産児も多くみられる。そこで低出生体重児・早産児クリニカルパスを作成し、その有効性について検討した。適応基準は出生体重2,500g未満、在胎週数35週以上37週未満として、積極的治療が必要とならない新生児を対象とし、観察の標準化と早期のケア介入を目的とした。観察項目は新生児に起こりうる病態に対応できるものを設定し、それぞれに評価基準を設けて標準化を図ることができるパスを作成した。2011年9月から2013年9月までで113例がパスを使用した。スタッフアンケートによる有効性検討により、医療者の観察の標準化とケア介入の標準化が行えたことが確認できた。また、看護記録時間や時間外勤務の短縮効果も確認できた。バリアンス件数は25件みられたが、うち16件は対応可能なバリアンスでパスの変動であった。残りの9件はパス逸脱となったが、早期に異常を発見でき、適切な治療介入が行うことができた。今回のパスの成功により新生児でもパスを活用することが可能であると思われ、今後は新生児呼吸障害など病的新生児に対するパスを作成することも可能と考えられる。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.17.1_30 |