パス推進活動からみた組織横断的役割と課題への取り組み

はじめに 組織や病院を問わず組織間の壁や垣根は多くの職員が悩まされる問題である。縦割り組織の壁が相互理解を妨げ、適切な医療の遂行を阻害しているのが現状であり、組織の壁以外にも職種や職能の壁、モチベーションの壁、コミュニケーションの壁などさまざまな壁が存在しているといわれている。さらに大学病院などではパス活動が進みにくい現実が指摘されている、講座~診療科ごとに独立した構造に加え、同じ疾患を扱う複数診療科の存在、委員会の乱立と相互連携の乏しさ、毎年まとまった数の新人(新卒者)入職と退職など、パス運用に慣れはじめた人材が出張や退職で離院していく背景に成り立っている実情がある。一方、大学病院は社会的に...

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Veröffentlicht in:日本クリニカルパス学会誌 2011/03/25, Vol.13(1), pp.28-30
Hauptverfasser: 齋藤, 登, 横山, 由美子, 樋口, 由布子, 上石, 直子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに 組織や病院を問わず組織間の壁や垣根は多くの職員が悩まされる問題である。縦割り組織の壁が相互理解を妨げ、適切な医療の遂行を阻害しているのが現状であり、組織の壁以外にも職種や職能の壁、モチベーションの壁、コミュニケーションの壁などさまざまな壁が存在しているといわれている。さらに大学病院などではパス活動が進みにくい現実が指摘されている、講座~診療科ごとに独立した構造に加え、同じ疾患を扱う複数診療科の存在、委員会の乱立と相互連携の乏しさ、毎年まとまった数の新人(新卒者)入職と退職など、パス運用に慣れはじめた人材が出張や退職で離院していく背景に成り立っている実情がある。一方、大学病院は社会的に大規模総合病院として位置づけられ、常に先端医療を担っていく役割と複雑性をはらむ病態への高度医療実践をさまざまな患者ニーズにも対応して重責を果たさなければならない。このように社会的役割は大きく、その医療の質の向上においてクリニカルパスというツールをいかに使いこなすかが、組織や職種間をまたいだ横断的チーム医療の必然的高まりへ向けての課題であると思われる。
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.13.1_28