クリニカルパス活動におけるベンチマーキングの経験: 消化器外科パスにおいて

平成11年クリニカルパスを本格的に導入後、これまで様々な試みを行ってきた。一般企業が質の改善に用いている「ベンチマーキング」手法が、医療の質の改善にも有効な手法であることを知り、この手法を学習してクリニカルパス(以下パス)を改善しつつパートナーを求めた。平成13年に国内では腹腔鏡下胆嚢摘出術、米国では開腹結腸手術のパスによるベンチマーキングを経験した。 まずベンチマーキング施行前に、対象疾患、適応基準、治療目標の設定が準備として必須であった。施行後、施設により治療目標(アウトカム)の設定に差があり、自施設のみでは気づかない点を指摘し合えた。また、質の向上には概念的な治療方針からEBM(evid...

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Veröffentlicht in:日本クリニカルパス学会誌 2004/03/10, Vol.5(3), pp.547-551
Hauptverfasser: 池谷, 俊郎, 前田, 陽子, 前島, 和俊, 合田, 司, 森村, 匡志, 長沼, 篤, 小山, 透, 矢嶋, 美恵子, 小沢, 初美, 金子, 京子, 中井, 正江, 立川, 厚子, 伊佐野, 和代, 久保田, 利夫, 蛭川, ふさ子, 鈴木, 栄, 菊地, 弘樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:平成11年クリニカルパスを本格的に導入後、これまで様々な試みを行ってきた。一般企業が質の改善に用いている「ベンチマーキング」手法が、医療の質の改善にも有効な手法であることを知り、この手法を学習してクリニカルパス(以下パス)を改善しつつパートナーを求めた。平成13年に国内では腹腔鏡下胆嚢摘出術、米国では開腹結腸手術のパスによるベンチマーキングを経験した。 まずベンチマーキング施行前に、対象疾患、適応基準、治療目標の設定が準備として必須であった。施行後、施設により治療目標(アウトカム)の設定に差があり、自施設のみでは気づかない点を指摘し合えた。また、質の向上には概念的な治療方針からEBM(evidence based medicine)を重視したアウトカムの設定が重要であることを認識できた。 面談形式の検討では時間的な問題があるものの、ベンチマーキングは医療の質を改善するうえで有効な手法である。今後はこの時間的な欠点を補えるITシステムでの普及が望まれる。
ISSN:2187-6592
2436-1046
DOI:10.50842/jjscp.5.3_547