臨床データの検討に基づいた胃潰瘍クリニカルパスの作成
当科での胃潰瘍入院治療を標準化するために、臨床データをretrospectiveに検討し、それに基づいた胃潰瘍入院クリニカルパスを作成することを目的とした。胃潰瘍入院患者46名を対象とし、年齢、性別、合併症の有無、抗凝固剤内服の有無、輸血施行の有無、潰瘍底の露出血管の有無について分類した後、食事開始病日と食事開始後在院日数を比較した。有意差を認めた項目に対して消化器内視鏡指導医2名、同認定医1名により合理的理由の有無を検証し、それに基づき適応基準、絶食日数、食事開始後の在院日数を決定した。作成した胃潰瘍入院パスは、食事開始日を境に絶食期間と摂食期間に分類し、絶食期間をさらに二期に分割した。絶食...
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Veröffentlicht in: | 日本クリニカルパス学会誌 2003/07/25, Vol.5(1), pp.13-17 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 当科での胃潰瘍入院治療を標準化するために、臨床データをretrospectiveに検討し、それに基づいた胃潰瘍入院クリニカルパスを作成することを目的とした。胃潰瘍入院患者46名を対象とし、年齢、性別、合併症の有無、抗凝固剤内服の有無、輸血施行の有無、潰瘍底の露出血管の有無について分類した後、食事開始病日と食事開始後在院日数を比較した。有意差を認めた項目に対して消化器内視鏡指導医2名、同認定医1名により合理的理由の有無を検証し、それに基づき適応基準、絶食日数、食事開始後の在院日数を決定した。作成した胃潰瘍入院パスは、食事開始日を境に絶食期間と摂食期間に分類し、絶食期間をさらに二期に分割した。絶食期間は最大約5日間、摂食期間は10日間と設定した。アウトカム(クリニカルインディケーター)は潰瘍底の状態とした。パス作成後に胃潰瘍入院患者21症例に対してパスを使用した。本検討の対象46症例とパスを使用した21症例における食事開始日と食事開始後在院日数を比較すると、食事開始日は5.91病日:4.52病日と有意に短縮し、食事開始後在院日数は11.19病日:9.61日と短縮傾向にあった。また、再吐血率を比較すると、7.9%:11.7%と有意差は認めず、合併症を増加させることなく絶食日数および在院日数の短縮が図れた。今後さらに症例を積み重ねることにより、より強いエビデンスを作成できると考えられた。 |
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ISSN: | 2187-6592 2436-1046 |
DOI: | 10.50842/jjscp.5.1_13 |