成人鼡径ヘルニアにおけるクリニカルパスの評価

「要旨」当病院外科病棟では, 成人鼡径ヘルニアに対する手術・麻酔方法の変更による入院期間が短縮可能となった. それに伴い, 1泊と4泊コースの患者用・医療者用のクリニカルパスを作成した. 1年間の鼡径ヘルニアの手術患者に使用し, 患者および医療者側からの声を基にパスに対する評価を行った. ヘルニア手術患者総数は210名であった. その内, 1泊は141名と圧倒的に1泊での手術希望者が多かった. 4泊の69名は全て予定通り退院可能であった. 1泊は3名が退院延期となった. 発熱と疼痛によるバリアンスの発生によるものである. 発熱に対しては, 抗生剤投与で改善が図られ, 疼痛に関しては, 今後検討...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本クリニカルパス学会誌 2001, Vol.3 (3), p.43-50
Hauptverfasser: 三村博美, 篠原正彦, 世古都, 古賀祥栄子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」当病院外科病棟では, 成人鼡径ヘルニアに対する手術・麻酔方法の変更による入院期間が短縮可能となった. それに伴い, 1泊と4泊コースの患者用・医療者用のクリニカルパスを作成した. 1年間の鼡径ヘルニアの手術患者に使用し, 患者および医療者側からの声を基にパスに対する評価を行った. ヘルニア手術患者総数は210名であった. その内, 1泊は141名と圧倒的に1泊での手術希望者が多かった. 4泊の69名は全て予定通り退院可能であった. 1泊は3名が退院延期となった. 発熱と疼痛によるバリアンスの発生によるものである. 発熱に対しては, 抗生剤投与で改善が図られ, 疼痛に関しては, 今後検討の余地を残す. パス使用により, 患者・医療者が共通の目標を持って治療・看護に積極的に参加することが可能となり, 患者満足度の向上・チーム医療の充実に繋がっていることが考えられた. 当市立四日市病院は, 1999年よりクリニカルパスを導入するにあたり, 1. 効率の良い医療を行う. 2. 患者満足度の向上を図る. 3. チーム医療の充実を図る. という三本柱の目的を掲げ, 院長をはじめ, 病院全体で取り組みはじめている.
ISSN:2187-6592