P2-42 IgG4関連眼疾患とMALTリンパ腫における表面抗原の解析とその意義
【目的】眼窩に生じるリンパ増殖性疾患,なかでも低悪性度MALTリンパ腫およびIgG4関連眼疾患(IgG4-ROD)は,しばしば病理組織学的に類似性を示すことから診断に苦慮することがある.今回我々は,各々の免疫学的表現型の発現パターンをフローサイトメトリーおよび病理組織学的に比較検討を行ったので報告する.【方法】2006年から2014年まで東京医大病院眼科を受診し,最終的に確定診断に至った眼窩MALTリンパ腫21検体(男性11例,女性10例,平均年齢67.8±13.4歳),IgG4-ROD 23検体(男性9例,女性14例,平均年齢60.5±15.1歳)を対象とした.摘出した腫瘍をフローサイトメト...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2017, Vol.40(4), pp.319b-319b |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】眼窩に生じるリンパ増殖性疾患,なかでも低悪性度MALTリンパ腫およびIgG4関連眼疾患(IgG4-ROD)は,しばしば病理組織学的に類似性を示すことから診断に苦慮することがある.今回我々は,各々の免疫学的表現型の発現パターンをフローサイトメトリーおよび病理組織学的に比較検討を行ったので報告する.【方法】2006年から2014年まで東京医大病院眼科を受診し,最終的に確定診断に至った眼窩MALTリンパ腫21検体(男性11例,女性10例,平均年齢67.8±13.4歳),IgG4-ROD 23検体(男性9例,女性14例,平均年齢60.5±15.1歳)を対象とした.摘出した腫瘍をフローサイトメトリーおよび免疫組織学的に表面抗原の発現を解析した.【成績】眼窩MALTリンパ腫では,IgG4-RODと比較して免疫グロブリン軽鎖(κ/λ比)の偏りがみられた他,CD3,CD4,CD23発現の割合が有意に低く,CD25発現の割合が有意に高かった.免疫組織化学染色の結果,IgG4では辺縁帯を主体に濾胞樹状細胞とその周囲のリンパ球にCD23陽性細胞が多く,リンパ腫細胞にCD25の発現がみられた.【結論】IgEレセプターであるCD23とIL-2レセプターであるCD25の発現を検索することは,眼窩におけるリンパ増殖性疾患の鑑別に有用であるとともに,病態の解明につながる可能性がある. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.40.319b |