MS2-2 関節破壊阻止を目指した関節リウマチ治療

  関節リウマチは多関節炎により関節の疼痛と破壊をきたし,生活の質を低下させる疾患であり,関節破壊を防ぎ,進展を抑えることが治療においては重要である.関節リウマチにおける骨破壊の出現と進行は,発症後1年間で顕著に認められることが報告され,発症早期から十分な治療を行うことの必要性が広く認識されるようになり,また生物学的抗リウマチ薬を始めとする分子標的薬の登場により関節リウマチの治療成績は大きく改善した.その結果,関節破壊の阻止も可能となってきている.また骨破壊を標的とした抗RANKL抗体も使用が可能となり,骨破壊が進行する例に対する新たな治療選択肢となっている.このように様々な治療薬が登場してき...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2017, Vol.40(4), pp.291b-291b
1. Verfasser: 溝口, 史高
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:  関節リウマチは多関節炎により関節の疼痛と破壊をきたし,生活の質を低下させる疾患であり,関節破壊を防ぎ,進展を抑えることが治療においては重要である.関節リウマチにおける骨破壊の出現と進行は,発症後1年間で顕著に認められることが報告され,発症早期から十分な治療を行うことの必要性が広く認識されるようになり,また生物学的抗リウマチ薬を始めとする分子標的薬の登場により関節リウマチの治療成績は大きく改善した.その結果,関節破壊の阻止も可能となってきている.また骨破壊を標的とした抗RANKL抗体も使用が可能となり,骨破壊が進行する例に対する新たな治療選択肢となっている.このように様々な治療薬が登場してきた今,個々の患者に,どの薬剤をどのタイミングで用いるのかを適切に判断する手法の開発が求められる.現時点で,各薬剤の治療反応性を的確に予測し得る手法は存在しないものの,最適な治療薬を選択するための様々な試みが進められており,将来的には患者の病態に応じた治療薬選択が可能となることも期待される.本セミナーでは,関節リウマチにおける関節破壊に対する治療の現状と,今後の展望について解説する.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.40.291b