P2-54 肝サルコイドーシスを合併したSAPHO症候群の一例

  【症例】43歳,女性.【主訴】関節痛,皮疹,飛蚊症【現病歴】10年前に掌蹠膿疱症と診断.時折前胸部痛を自覚していた.2年前に左胸鎖関節の疼痛を認め,膝と足関節の関節炎を伴うようになり,かかりつけの整形外科でプレドニゾロン(PSL)10mg/日で加療.6ヶ月前に肝胆道系酵素の増多を認め,NASHと診断されPSLを1 mgまで漸減.霧視と飛蚊症を認め,かかりつけの眼科で肉芽種性ぶどう膜炎と診断.関節痛の増悪もあり当科に紹介となった.肝臓腫大,鼻唇溝および後頸部に5 mm大の紅色の鱗屑を伴う結節,PIP関節の関節炎を認めた.AST 67U/L,ALT 66U/L,ALP 536U/L,γGT 4...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2016, Vol.39(4), pp.430b-430b
Hauptverfasser: 室崎, 貴勝, 島, 菜月, 大野, 和寿, 釜田, 康行, 長嶋, 孝夫, 岩本, 雅弘, 簑田, 清次
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:  【症例】43歳,女性.【主訴】関節痛,皮疹,飛蚊症【現病歴】10年前に掌蹠膿疱症と診断.時折前胸部痛を自覚していた.2年前に左胸鎖関節の疼痛を認め,膝と足関節の関節炎を伴うようになり,かかりつけの整形外科でプレドニゾロン(PSL)10mg/日で加療.6ヶ月前に肝胆道系酵素の増多を認め,NASHと診断されPSLを1 mgまで漸減.霧視と飛蚊症を認め,かかりつけの眼科で肉芽種性ぶどう膜炎と診断.関節痛の増悪もあり当科に紹介となった.肝臓腫大,鼻唇溝および後頸部に5 mm大の紅色の鱗屑を伴う結節,PIP関節の関節炎を認めた.AST 67U/L,ALT 66U/L,ALP 536U/L,γGT 446U/L,ACE 85.3 mU/ml,sIL2R 4,110 U/ml,CTおよびMRIで両側肺門リンパ節腫大と多発する腫瘤性変化を伴う肝腫大,皮膚生検で巨細胞を伴う類上皮肉芽腫を認め,肝病変を伴うサルコイドーシスと診断した.掌蹠膿疱症と胸骨,鎖骨の骨炎と骨化あり,SAPHO症候群も併存していると判断.肝サルコイドーシスに対しPSL 30mg/日に増量し,肝胆道系酵素と皮膚病変と関節炎の改善を認めた.【考察】10年来の関節症状はSAPHO症候群で,更に肝サルコイドーシスを合併したものと判断した.乾癬にサルコイドーシスを合併するのは1.5%と報告されているが,SAPHO症候群での合併は報告がない.両疾患にP.acnesが発症に関与している点を踏まえ病態を検討する.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.39.430b