P2-51 神経ベーチェット病との鑑別が困難であった神経スウィート病の1例

  症例は41歳女性.2012年より口内炎,陰部潰瘍を繰り返すようになり,他院婦人科へ通院していた.眼科受診ではぶどう膜炎は指摘されず.2014年9月口内炎,陰部潰瘍に加えて下腿中心に結節性紅斑様皮疹と高熱が出現したため近医から当科へ紹介受診し経口摂取不良のため入院となった.当初は不全型ベーチェット病と考え,NSAIDとコルヒチンで治療を行った.徐々に症状,炎症所見が改善したため第17病日に退院した.HLAタイピングはB51,B54,Cw1がすべて陽性であった.入院時の皮膚生検で,表皮から離れて帯状の好中球浸潤をみとめ,血管炎の所見はみとめず,スウィート病と病理診断された.2015年12月初旬...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2016, Vol.39(4), pp.429a-429a
Hauptverfasser: 金本, 素子, 金本, 忠久, 南部, 美佳, 上原, 美佐子, 唐橋, 太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:  症例は41歳女性.2012年より口内炎,陰部潰瘍を繰り返すようになり,他院婦人科へ通院していた.眼科受診ではぶどう膜炎は指摘されず.2014年9月口内炎,陰部潰瘍に加えて下腿中心に結節性紅斑様皮疹と高熱が出現したため近医から当科へ紹介受診し経口摂取不良のため入院となった.当初は不全型ベーチェット病と考え,NSAIDとコルヒチンで治療を行った.徐々に症状,炎症所見が改善したため第17病日に退院した.HLAタイピングはB51,B54,Cw1がすべて陽性であった.入院時の皮膚生検で,表皮から離れて帯状の好中球浸潤をみとめ,血管炎の所見はみとめず,スウィート病と病理診断された.2015年12月初旬から強い頭痛が出現するようになり,高次脳機能障害,髄膜刺激徴候,神経巣症状はいずれもみとめなかった.MRIで脳幹,中小脳脚,側頭葉などにDWI, FLAIR, T2WIで高信号域が散在,造影効果は乏しく,髄液検査では細胞数28/μl,蛋白29mg/dlと軽度の炎症所見とIL-6の増加をみとめ,神経スウィート病と考えられた.ステロイドパルス療法施行,後療法としてPSL 30mg/日から漸減しすみやかに改善をみとめた.スウィート病とベーチェット病は,神経病変含め臨床的に類似する点が多く,HLAのタイピングも重複する場合があり,本症例でも鑑別に苦慮した.文献的な考察を加えて報告する.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.39.429a