P2-12 腎虚血再灌流モデルの病態におけるIL-10の意義についての研究

  【目的】虚血再灌流障害とは,虚血状態にある臓器に血液の再環流が起きた際に引き起こされる障害をいい,フリーラジカル産生やサイトカインなどの各種ケミカルメディエータ等による障害の機序が考えられている.IL-10は抗炎症性のTh2サイトカインとされているが,虚血再灌流時の腎障害における役割は明らかではない.本研究では,IL-10欠損マウスを用いて,腎虚血再灌流モデルにおけるIL-10の及ぼす影響を解析した.【方法】8-10週齢の野生型のC57BL/6マウス群,IL-10欠損マウス群の両側の腎動脈を遮断した.45分後に遮断を解除し,24時間後に血中の腎機能マーカーの測定,及び腎組織を採取した.【成...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2016, Vol.39(4), pp.409b-409b
Hauptverfasser: 酒井, 健史, 岡田, 晃典, 冨田, 大介, 伊丹, 哲, 李, 進海, 井上, 明日圭, 田崎, 知江美, 志賀, 俊彦, 朝戸, 佳世, 樋野, 尚一, 岸本, 和也, 永禮, 靖章, 野崎, 祐史, 船内, 正憲, 松村, 到
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:  【目的】虚血再灌流障害とは,虚血状態にある臓器に血液の再環流が起きた際に引き起こされる障害をいい,フリーラジカル産生やサイトカインなどの各種ケミカルメディエータ等による障害の機序が考えられている.IL-10は抗炎症性のTh2サイトカインとされているが,虚血再灌流時の腎障害における役割は明らかではない.本研究では,IL-10欠損マウスを用いて,腎虚血再灌流モデルにおけるIL-10の及ぼす影響を解析した.【方法】8-10週齢の野生型のC57BL/6マウス群,IL-10欠損マウス群の両側の腎動脈を遮断した.45分後に遮断を解除し,24時間後に血中の腎機能マーカーの測定,及び腎組織を採取した.【成績】虚血再灌流モデルマウスではIL-10欠損マウスは野生型と比較し,血清BUN値は高値であった(p < 0.05).腎の組織学所見ではIL-10欠損マウスではCD4陽性細胞とCD68陽性細胞が多く発現しているのを認めた.リアルタイムPCR法でmRNAの発現量を解析した結果,IL-10欠損マウス群でIL-1βは高値であった.【結論】本研究からIL-10は腎における虚血再灌流障害に対して抗炎症性の役割をもつ可能性が示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.39.409b