P8-021 治療中に下肢虚血・壊死をきたし緊急下肢切断術を施行したIgA血管炎の1例

  62歳男性.1型糖尿病(合併症)で近医通院中であったが,当科入院約4か月前より両下肢の疼痛が出現し,歩行困難となったため近医に入院した.高熱も認め感染症として抗菌薬にて加療され,当初は改善認めなかったが徐々に解熱,炎症反応低下,下肢痛も改善を認め退院した.退院直後より下腿浮腫・紫斑が新たに出現し食思不振となり,1週間前に脱水,腎機能低下,炎症反応高値のため近医に再入院した.紫斑と腎機能悪化よりIgA血管炎が疑われたため当科転院となり,紫斑の生検で白血球破砕性血管炎とIgA沈着,上下部消化管内視鏡では十二指腸潰瘍と回盲部末端にびらんを認めた.尿蛋白 5 g/日,尿潜血,異常円柱も認め腎生検を...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2015, Vol.38(4), pp.379a-379a
Hauptverfasser: 石澤, 彩子, 室崎, 貴勝, 釜田, 康行, 岩本, 雅弘, 簑田, 清次
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:  62歳男性.1型糖尿病(合併症)で近医通院中であったが,当科入院約4か月前より両下肢の疼痛が出現し,歩行困難となったため近医に入院した.高熱も認め感染症として抗菌薬にて加療され,当初は改善認めなかったが徐々に解熱,炎症反応低下,下肢痛も改善を認め退院した.退院直後より下腿浮腫・紫斑が新たに出現し食思不振となり,1週間前に脱水,腎機能低下,炎症反応高値のため近医に再入院した.紫斑と腎機能悪化よりIgA血管炎が疑われたため当科転院となり,紫斑の生検で白血球破砕性血管炎とIgA沈着,上下部消化管内視鏡では十二指腸潰瘍と回盲部末端にびらんを認めた.尿蛋白 5 g/日,尿潜血,異常円柱も認め腎生検を予定していたが,腎機能悪化,乏尿を認めたため入院7日目にステロイドパルス,その後シクロホスファミドパルスを施行した.しかし入院13日目になり左足趾の色調が不良となり,PGE1製剤を開始したが左足の壊死が進行した.右総腸骨動脈・左外腸骨動脈の高度狭窄と左膝窩動脈の閉塞を認め,血管炎による下肢虚血と考えシクロホスファミドパルスを追加したが改善なく,入院33日目に壊死部の感染から敗血症をきたしたため緊急で左下肢切断術を施行した.大血管病変は糖尿病の影響も検討が必要だが,IgA血管炎に下肢虚血を合併した例は稀であるため報告する.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.38.379a