P7-027 関節リウマチ患者における血清遊離DNAと疾患活動性の検討

  【目的】DNAは細胞傷害やアポトーシスにより末梢血中に放出される.近年,末梢血の遊離DNAがさまざまな疾患のバイオマーカーとして認識されてきているが,関節リウマチ(RA)患者においては,その意義は不明である.今回,RA患者に関して血清遊離DNAと疾患活動性の関連について調べたので報告する.【方法】当院で生物学的製剤を開始したRA患者21例について,投与前から24週まで4週おきに血液検査を行い,リアルタイムPCRを用いて血清遊離DNAを測定し,疾患活動性も同時に評価した.比較対象として,健常人10例でも血清遊離DNAを測定した.加えて,RA患者5例の膝関節液を採取し遊離DNAを測定した.【結...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2015, Vol.38(4), pp.361a-361a
Hauptverfasser: 橋本, 哲平, 吉田, 幸佑, 橋本, 尚憲, 金城, 健太, 中井, 綾子, 鈴木, 行人, 松浦, 香里, 川崎, 善子, 柴沼, 均, 立石, 博臣, 柱本, 照
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:  【目的】DNAは細胞傷害やアポトーシスにより末梢血中に放出される.近年,末梢血の遊離DNAがさまざまな疾患のバイオマーカーとして認識されてきているが,関節リウマチ(RA)患者においては,その意義は不明である.今回,RA患者に関して血清遊離DNAと疾患活動性の関連について調べたので報告する.【方法】当院で生物学的製剤を開始したRA患者21例について,投与前から24週まで4週おきに血液検査を行い,リアルタイムPCRを用いて血清遊離DNAを測定し,疾患活動性も同時に評価した.比較対象として,健常人10例でも血清遊離DNAを測定した.加えて,RA患者5例の膝関節液を採取し遊離DNAを測定した.【結果】生物学的製剤投与前のRA患者と健常人で,血清遊離DNAに差はなかった.継時的にみると,投与開始後12週までに遊離DNAが上昇する群(n = 10)と変化しない群(n = 11)に分かれた.2群を比較すると,遊離DNA上昇群では罹病期間が短く(P = 0.012),治療前疾患活動性(SDAI)が高かった(P = 0.041).またΔSDAI(P = 0.021),ΔCDAI(P = 0.027)も高く,疾患活動性が有意に改善していた.DNAは白血球にも含まれるが,この変化に差はなかった.関節液遊離DNAは著増していた.【結論】遊離DNAが血球系とは相関せず,関節液中で著増していたことを考慮すると,血清遊離DNAが滑膜細胞由来であることが示唆される.高疾患活動性のRA患者で遊離DNAが生物学的製剤の治療反応性を予測するマーカーとなるかもしれない.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.38.361a