P6-001 性ホルモンとToll-like receptorリガンドのHaCaT細胞における遊走及びEpithelial-Mesenchymal Transitionに対する影響

  【背景】表皮における創傷治癒は女性の方が男性よりも早いとされるが,機序は不明な点が多い.【目的】表皮細胞における遊走及びEpithelial-Mesenchymal Transition(EMT)に対する性ホルモン及びToll-like receptor(TLR)各種リガンドの影響を検討する.【方法】不死化表皮細胞であるHaCaT細胞を通常培養しスクラッチテストを行い,testosterone,estradiol,poly I:C,LPSをそれぞれ添加し,細胞遊走能を検証した.次にEMTを観察するため懸垂培養によるspheroidを作成し,poly I:C,LPSをそれぞれ添加し,光学顕微...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2015, Vol.38(4), pp.343a-343a
Hauptverfasser: 高田, 和秀, 廣畑, 直子, Quang, Trinh, 相澤, 志保子, 早川, 智
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:  【背景】表皮における創傷治癒は女性の方が男性よりも早いとされるが,機序は不明な点が多い.【目的】表皮細胞における遊走及びEpithelial-Mesenchymal Transition(EMT)に対する性ホルモン及びToll-like receptor(TLR)各種リガンドの影響を検討する.【方法】不死化表皮細胞であるHaCaT細胞を通常培養しスクラッチテストを行い,testosterone,estradiol,poly I:C,LPSをそれぞれ添加し,細胞遊走能を検証した.次にEMTを観察するため懸垂培養によるspheroidを作成し,poly I:C,LPSをそれぞれ添加し,光学顕微鏡および電子顕微鏡で形態観察した.【結果】スクラッチテストでは,スクラッチ後96時間において10−7 Mのestradiol存在下で遊走能は有意に向上した.一方10−7 Mのtestosterone存在下では遊走能は有意に抑制された.poly I:CとLPS存在下では遊走能は有意に向上し,特に前者では顕著であった.懸垂培養では刺激18時間でLPSと,特にpoly I:C投与群でspheroid周囲の形態変化が認められた.LPS投与群ではtoluidine blue染色と電子顕微鏡においても,TLR刺激により細胞間隙の広がりが観察された.【考察】estradiolは表皮細胞遊走能を向上させることで,男性よりも創傷治癒が早いことが示唆された.また創部の細菌やウイルス感染もTLR刺激を介して創傷治癒速度に影響を与える可能性が示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.38.343a