P1-007 各種誘導物質で誘導された免疫寛容樹状細胞の抑制機能の比較検討
自己免疫疾患では,より選択的で副作用が少なく長期間寛解を維持できる治療として,Treg細胞や寛容型樹状細胞(tDCs)を用いた抗原特異的な治療が注目されている.ヒトの未熟樹状細胞の成熟過程において,Cキナーゼ阻害剤(PKCI)を加えることで,安定性のあるtDCsが誘導できることを報告した.今回はPKCI-tDCsと既報告の誘導物質,すなわち,IL-10,TGF-β,vitamin D3(Vit D3),dexamethazone,rapamycin,PPARγ+retinoic acid(PPAR+RA)の6種類でそれぞれ誘導されたtDCsとのex vivoにて機能面の比較検討した.検討項...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2015, Vol.38(4), pp.312a-312a |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 自己免疫疾患では,より選択的で副作用が少なく長期間寛解を維持できる治療として,Treg細胞や寛容型樹状細胞(tDCs)を用いた抗原特異的な治療が注目されている.ヒトの未熟樹状細胞の成熟過程において,Cキナーゼ阻害剤(PKCI)を加えることで,安定性のあるtDCsが誘導できることを報告した.今回はPKCI-tDCsと既報告の誘導物質,すなわち,IL-10,TGF-β,vitamin D3(Vit D3),dexamethazone,rapamycin,PPARγ+retinoic acid(PPAR+RA)の6種類でそれぞれ誘導されたtDCsとのex vivoにて機能面の比較検討した.検討項目は,表面マーカー,貪食能,CCL19に対する遊走能,抑制型サイトカインの産生能,T細胞増殖抑制能,TregおよびIL-10産生細胞(Tr1)の誘導能である.貪食能はすべてのtDCsに同等に認められた.T細胞増殖抑制能が高いのは,PKCI,IL-10,Vit D3,PPAR+RAの4種類から誘導されたtDCsであった.これらのうち,Tr1誘導能が高いのはIL-10とPKCI,Treg誘導能が高いのは,PKCIとPPAR+RAであった.これらのうち,CCL19に対する遊走能が比較的高く維持されていたのはPKCIであった.以上より,(1)Treg細胞誘導の反応の場である二次リンパ組織へのCCL19に対する遊走能が維持されていること,(2)炎症状況下でも安定していること,(3)Tr1細胞やTreg細胞などの機能的な抑制性T細胞が十分誘導できることの臨床応用3原則を満たしているのは,単独ではPKCIが最も有力であった. |
---|---|
ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.38.312a |