W3-4  IBD患者では有意なMucosal associated invariant T細胞の減少,アポトーシスの亢進が認められる

【背景と目的】一部の原発性免疫不全症で炎症性腸疾患(IBD)類似の腸炎を発症することから,免疫系の異常が炎症性疾患に関与していることが想定されている.近年Mucosal associated invariant T(MAIT)細胞と呼ばれる自然免疫系Tリンパ球と自己免疫疾患の病態との関わりが報告されるようになったが,IBDとMAIT細胞の関係は明らかになっていない.今回我々はMAIT細胞とIBDとの関連について調べた.【対象と方法】IBD患者156人と,健常者57人を対象とし,Flowcytometryを用いて末梢血MAIT細胞数の比較を行った.UC患者の大腸病変部(n=5)とCD患者の小腸病...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2014, Vol.37(4), pp.309a-309a
Hauptverfasser: 西小森, 隆太, 日衛嶋, 栄太郎, 河合, 朋樹, 仲瀬, 裕志, 鶴山, 竜昭, 森本, 剛, 八角, 高裕, 松浦, 稔, 吉野, 琢哉, 池内, 浩基, 久松, 理一, 河田, 健二, 酒井, 善治, 千葉, 勉, 平家, 俊男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【背景と目的】一部の原発性免疫不全症で炎症性腸疾患(IBD)類似の腸炎を発症することから,免疫系の異常が炎症性疾患に関与していることが想定されている.近年Mucosal associated invariant T(MAIT)細胞と呼ばれる自然免疫系Tリンパ球と自己免疫疾患の病態との関わりが報告されるようになったが,IBDとMAIT細胞の関係は明らかになっていない.今回我々はMAIT細胞とIBDとの関連について調べた.【対象と方法】IBD患者156人と,健常者57人を対象とし,Flowcytometryを用いて末梢血MAIT細胞数の比較を行った.UC患者の大腸病変部(n=5)とCD患者の小腸病変部(n=10),コントロールとして大腸癌或いは小腸癌の腸切除検体の病理組織標本を用いてMAIT細胞の免疫染色を行った.MAIT細胞のアポトーシス亢進の評価として,末梢血MAIT細胞のカスパーゼ活性陽性率をFlowcytometryで測定した.【結果】末梢血中MAIT細胞数はIBD患者が健常者と比較し有意な低下を認めた(p<0.0001).UCとCD患者の間には有意差はなかった.UC患者の大腸粘膜,およびCD患者の小腸粘膜におけるMAIT数はコントロールと比較し有意な低下を認めた(UC: p=0.0079, CD: p=0.041).またIBD患者では末梢血中MAIT細胞の活性化カスパーゼ陽性率が,コントロールと比較し,有意に上昇していた(p=0.0002).【結語】MAIT細胞のアポトーシス亢進やMAIT細胞の末梢血,及び腸粘膜における減少がIBDの病態に関与している可能性が示唆された.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.309a