関節リウマチの疾患感受性遺伝子であるPeptidylarginine deiminase type 4 (PADI4) の免疫系における役割
「抄録」 関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)は全身の慢性, 破壊性の多関節炎を主症状とする代表的な自己免疫疾患である. 病態形成において様々な遺伝, 環境因子の関与が示唆されているが, 依然として詳細な機序は不明である. 最近, RAの疾患感受性遺伝子として約100種類が報告されたが, Peptidylarginine deiminase type4(PADI4)はRAのgenome-wide association studyによってnon-MHC遺伝子のRA感受性遺伝子として本邦より初めて報告され, 様々な疾患の遺伝学的解析と併せてRAとの特異的な関連が示唆さ...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2014-06, Vol.37 (3), p.154-159 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「抄録」 関節リウマチ(rheumatoid arthritis; RA)は全身の慢性, 破壊性の多関節炎を主症状とする代表的な自己免疫疾患である. 病態形成において様々な遺伝, 環境因子の関与が示唆されているが, 依然として詳細な機序は不明である. 最近, RAの疾患感受性遺伝子として約100種類が報告されたが, Peptidylarginine deiminase type4(PADI4)はRAのgenome-wide association studyによってnon-MHC遺伝子のRA感受性遺伝子として本邦より初めて報告され, 様々な疾患の遺伝学的解析と併せてRAとの特異的な関連が示唆されている. 現在, PADI4はアジア人や欧米人の一部でもRAとの関連が示され, アジア人ではanti citrullinated peptide antibody(ACPA)の有無に関わらず骨破壊の危険因子となることも報告された. PADI4遺伝子はシトルリン化による翻訳後修飾能を有するPAD4蛋白をコードする. PADI4は骨髄球, 顆粒球といった血球系細胞で特異的に発現している. PADI4のRA感受性ハプロタイプではmRNAの安定性が増すことでPAD4蛋白が増加することが示唆されている. 従来, RAにおけるACPAの特異性から, PAD4蛋白の増加に伴うシトルリン化蛋白の過剰産生とACPAの誘導といった仮説が注目されてきた. しかし, PADI4は核内移行シグナルを有することで様々な遺伝子発現の制御やneutrophil extracellular trapsの形成に関与し, RAの病態形成において多彩な役割を担う可能性が示唆される. 本項ではPADI4の機能とRAにおける役割のまとめ, 考察を行う. |
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ISSN: | 0911-4300 |