P2-06 シェーグレン症候群患者末梢B細胞の活性化機序におけるBAFFシグナルの関与
背景・目的:シェーグレン症候群(SS)の病態形成にはB細胞の活性化異常が起因しており,その機序にBAFFが関与していることが推測されている.本研究では,ヒト末梢B細胞を用いて,BAFFによるB細胞活性化機序の解明を試みた.方法:SS患者及び健常人より単離した末梢B細胞を,rBAFF存在下で抗IgM抗体,CD40LigandおよびrIL-4により刺激培養した.培養上清中のIgG,IgM産生量をELISA法を用いて測定した.さらにwestern blott法により刺激B細胞におけるシグナル伝達分子の発現を解析した.全血を用いたFACS法により末梢B細胞におけるBAFF-R発現およびB細胞分画の解析...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2013, Vol.36(5), pp.375b-375b |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 背景・目的:シェーグレン症候群(SS)の病態形成にはB細胞の活性化異常が起因しており,その機序にBAFFが関与していることが推測されている.本研究では,ヒト末梢B細胞を用いて,BAFFによるB細胞活性化機序の解明を試みた.方法:SS患者及び健常人より単離した末梢B細胞を,rBAFF存在下で抗IgM抗体,CD40LigandおよびrIL-4により刺激培養した.培養上清中のIgG,IgM産生量をELISA法を用いて測定した.さらにwestern blott法により刺激B細胞におけるシグナル伝達分子の発現を解析した.全血を用いたFACS法により末梢B細胞におけるBAFF-R発現およびB細胞分画の解析を行った.結果・考察:末梢B細胞におけるBAFF-R陽性/CD19陽性細胞率はSS患者群,健常人群とも100%であったが,SS患者群においてBAFF-R陽性/CD38陽性細胞群が健常人と比較して有意に高かった.一方,刺激培養されたSS患者B細胞からのIgGの産生量は健常人と比較して有意に高く,rBAFFはこれらの産生量を促進した.更に,SS末梢B細胞では健常人と比較してrBAFFによりIKKαのリン酸化が促進されており,これらの結果より,SS患者末梢B細胞の刺激反応性の亢進にはBAFFによるIKKαなどシグナル分子の活性化が関与し,それによりIgGなどの産生が促進されることが推測された. |
---|---|
ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.36.375b |