W1-2 関節リウマチの疾患感受性遺伝子であるPadi4の関節炎モデルマウスを用いた機能解析
Padi4は関節リウマチ(RA)の疾患感受性遺伝子の一つで,RAの疾患感受性ハプロタイプは非感受性ハプロタイプに比してmRNAの安定性の増加も報告されている.そして,Padi4にコードされた蛋白PAD4は脱イミノ化/シトルリン化といった様々な蛋白のアルギニンをシトルリンに変換する転写後翻訳能を有する.最近,抗CCP抗体が陰性のRA患者でもPadi4の疾患感受性ハプロタイプの存在がリスク因子であることが報告され,従来より考えられていたシトルリン化抗原の過剰産生とこれに伴う抗シトルリン化ペプチド抗体の産生以外の様々な免疫学的な変化が示唆された.また,最近のマウスの各種細胞での網羅的な遺伝子発現を検...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2013, Vol.36(5), pp.329b-329b |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Padi4は関節リウマチ(RA)の疾患感受性遺伝子の一つで,RAの疾患感受性ハプロタイプは非感受性ハプロタイプに比してmRNAの安定性の増加も報告されている.そして,Padi4にコードされた蛋白PAD4は脱イミノ化/シトルリン化といった様々な蛋白のアルギニンをシトルリンに変換する転写後翻訳能を有する.最近,抗CCP抗体が陰性のRA患者でもPadi4の疾患感受性ハプロタイプの存在がリスク因子であることが報告され,従来より考えられていたシトルリン化抗原の過剰産生とこれに伴う抗シトルリン化ペプチド抗体の産生以外の様々な免疫学的な変化が示唆された.また,最近のマウスの各種細胞での網羅的な遺伝子発現を検討した報告で,Padi4は骨髄,顆粒球系に限定した発現が示唆されている.Padi4 knockout (KO) DBA1/Jマウスでrecombinant human Glucose-6-Phosphate Isomerase (rhGPI)誘導性関節炎を用いてPadi4の機能解析を行った.Padi4 KOマウスでは関節炎の発症率は同等だが重症度の改善を認め,免疫後のTh17の低下を認めるが,その他のT細胞サブセット等に差を認めず,抗体産生や免疫後早期の炎症性サイトカインの発現等も著明な差を認めなかった.しかし,免疫後のミエロイド系細胞を検討したところ,骨髄での増殖は差を認めないが,脾臓,関節で著明な低下を認めた.以上よりPadi4が高発現であるミエロイド系細胞の変化を筆頭に,免疫応答の様々なレベルにおけるPadi4の関与が考慮された. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.36.329b |