抗TNF-α製剤の投与によって著しい股関節の修復を認めた1例

若年性関節リウマチ(JIA)で発症し,高度の関節破壊(Steinbrocker Stage IV, Class III)を呈した22歳の女性で,ステロイドおよびMTXによる治療で明らかな改善を見ず,抗TNF-α製剤の投与によって,股関節の著しい改善を認めた症例を経験した.当初,インフリキシマブ(IFX)による治療開始後,臨床症状・所見は改善を示したが,15ヶ月で関節炎症状は再燃し,エタネルセプト(ETN)に変更し,再び良好な経過を示した.これに対して.骨関節病変に対する効果はIFXならびにETNによる治療経過を通じて良好であった.荷重関節である股関節の修復が見られる事は非常に稀と考えられるが,...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2010, Vol.33(5), pp.272-276
Hauptverfasser: 永禮, 靖章, 木下, 浩二, 西坂, 文章, 斉藤, 政克, 野中, 藤吾, 船内, 正憲
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:若年性関節リウマチ(JIA)で発症し,高度の関節破壊(Steinbrocker Stage IV, Class III)を呈した22歳の女性で,ステロイドおよびMTXによる治療で明らかな改善を見ず,抗TNF-α製剤の投与によって,股関節の著しい改善を認めた症例を経験した.当初,インフリキシマブ(IFX)による治療開始後,臨床症状・所見は改善を示したが,15ヶ月で関節炎症状は再燃し,エタネルセプト(ETN)に変更し,再び良好な経過を示した.これに対して.骨関節病変に対する効果はIFXならびにETNによる治療経過を通じて良好であった.荷重関節である股関節の修復が見られる事は非常に稀と考えられるが,本例で股関節の破壊が著しく修復された機序は明らかでない.抗TNF-α製剤による炎症と関節破壊抑制の機序が異なる可能性も考えられ,今後さらに検討する必要がある.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.33.272