FDG-PETを契機に大型血管炎の合併を診断し得たリウマチ性多発筋痛症の1例
74歳女性.突然発症の発熱,近位筋痛をきたしリウマチ性多発筋痛症(PMR)と診断された.側頭動脈に圧痛や拡張を認めず,眼底所見も正常であった.18F-FDG-PETを施行したところ,大動脈および両側鎖骨下動脈にFDGの集積を認め大型血管の炎症が強く疑われた.Magnetic resonance angiographyでは,両側鎖骨下動脈の狭窄を認め血管炎の所見に矛盾しなかった.本症例は高齢発症でPMRを合併,さらにHLA DR4陽性で,合併した大型血管炎は大血管型巨細胞性動脈炎(Large-vessel GCA)と考えられた.Prednisolone 20 mg/日の投与を開始し,速やかに解熱...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2009, Vol.32(2), pp.129-134 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 74歳女性.突然発症の発熱,近位筋痛をきたしリウマチ性多発筋痛症(PMR)と診断された.側頭動脈に圧痛や拡張を認めず,眼底所見も正常であった.18F-FDG-PETを施行したところ,大動脈および両側鎖骨下動脈にFDGの集積を認め大型血管の炎症が強く疑われた.Magnetic resonance angiographyでは,両側鎖骨下動脈の狭窄を認め血管炎の所見に矛盾しなかった.本症例は高齢発症でPMRを合併,さらにHLA DR4陽性で,合併した大型血管炎は大血管型巨細胞性動脈炎(Large-vessel GCA)と考えられた.Prednisolone 20 mg/日の投与を開始し,速やかに解熱.筋痛も改善した.PMRでは側頭動脈の圧痛や拡張等の臨床症状を伴わなければGCAの診断は困難である.FDG-PETは悪性腫瘍の検索だけでなく,PMRに潜在する大型血管炎の評価に有用であると考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.32.129 |