両側の胸水貯留で発症した特発性線維性縦隔炎の1例

症例は56歳,男性.労作時息切れと両側の胸水貯留で発症し, CTにて縦隔下部の胸部大動脈周囲から後腹膜の腫瘤と両側胸膜の肥厚を指摘された. CRP高値,血沈促進, IgG高値を認め,肺活量は著明に減少していた.縦隔,胸膜の生検では,腫瘤は脂肪組織と線維組織からなり,軽度の細胞浸潤を認めた.以上の所見より特発性線維性縦隔炎と診断した.プレドニゾロン40mg/日投与により炎症反応は陰性化したが, CTでの腫瘤のサイズはごくわずかに縮小したのみで,胸水の量や肺活量には変化を認めなかった....

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2002/04/30, Vol.25(2), pp.177-183
Hauptverfasser: 多田, 芳史, 尾上, 祐行, 小荒田, 秀一, 鐘江, 大, 牛山, 理, 鈴木, 憲明, 青木, 茂久, 大田, 明英, 長澤, 浩平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は56歳,男性.労作時息切れと両側の胸水貯留で発症し, CTにて縦隔下部の胸部大動脈周囲から後腹膜の腫瘤と両側胸膜の肥厚を指摘された. CRP高値,血沈促進, IgG高値を認め,肺活量は著明に減少していた.縦隔,胸膜の生検では,腫瘤は脂肪組織と線維組織からなり,軽度の細胞浸潤を認めた.以上の所見より特発性線維性縦隔炎と診断した.プレドニゾロン40mg/日投与により炎症反応は陰性化したが, CTでの腫瘤のサイズはごくわずかに縮小したのみで,胸水の量や肺活量には変化を認めなかった.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.25.177