臓器移植の現状と将来
「I. はじめに」臓器移植は免疫抑制剤の開発, 周辺医療水準の向上により成績は格段に進歩し, 良好な生存率と高いquality of lifeをもたらし確立された医療となってきている. 最近ではシクロスポリン(CsA)やタクロリムス(FK506), セルセプト(MMF)をはじめとする新しい免疫抑制剤が臨床使用され, 良好で安定した移植成績が得られるようになってきた. 腎移植においても日本移植学会の統計では生体腎, 死体腎ともに移植後短期間の生着率は年々向上している. 特に1981年以降の死体腎移植成績の向上は顕著であり, これは主にCsAの導入によるところが大きい, わが国の臓器移植臨床におけ...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2002, Vol.25 (2), p.156-169 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. はじめに」臓器移植は免疫抑制剤の開発, 周辺医療水準の向上により成績は格段に進歩し, 良好な生存率と高いquality of lifeをもたらし確立された医療となってきている. 最近ではシクロスポリン(CsA)やタクロリムス(FK506), セルセプト(MMF)をはじめとする新しい免疫抑制剤が臨床使用され, 良好で安定した移植成績が得られるようになってきた. 腎移植においても日本移植学会の統計では生体腎, 死体腎ともに移植後短期間の生着率は年々向上している. 特に1981年以降の死体腎移植成績の向上は顕著であり, これは主にCsAの導入によるところが大きい, わが国の臓器移植臨床における近年の最大のトピックスは, 平成9年10月16日からの脳死・移植法の実施である. しかし, この法律ではドナーの書面による生前の意思表示が要件化された. これに伴って移植関係学会合同委員会は心移植2グループ3施設, 肝移植2施設(平成13年7月より9施設), 膵移植13施設, 肺移植4施設, 小腸移植9施設を特定し公表した. |
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ISSN: | 0911-4300 |