免疫学的パラメーターを用いたがんスクリーニングの意義

免疫学的パラメーターの測定を用いたがんスクリーニングの意義について検討した.がん患者174人,非がん対照者100人に対する免疫学的パラメーターの測定では, IL-12, IFN-γ, TNF-αおよびTh1細胞比においてがん患者に有意な低下を認めた.一方NK細胞活性はがん患者において有意な増加を認め,これら免疫学的パラメーターの測定によるがん判別の可能性が示唆された.免疫学的パラメーター測定によるスクリーニング判断には多変量解析と, IL-12, IFN-γを中心とした個別の至適Cut-off値設定による手法が検討され,その双方において良好ながん判別を得ることができた.免疫学的パラメーターの測...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2000/04/30, Vol.23(2), pp.114-123
Hauptverfasser: 宇野, 克明, 辻, 公美, 細川, 丈志, 筑丸, 志津子, 美濃口, 秀子, 祖父尼, 哲, 上田, 裕司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:免疫学的パラメーターの測定を用いたがんスクリーニングの意義について検討した.がん患者174人,非がん対照者100人に対する免疫学的パラメーターの測定では, IL-12, IFN-γ, TNF-αおよびTh1細胞比においてがん患者に有意な低下を認めた.一方NK細胞活性はがん患者において有意な増加を認め,これら免疫学的パラメーターの測定によるがん判別の可能性が示唆された.免疫学的パラメーター測定によるスクリーニング判断には多変量解析と, IL-12, IFN-γを中心とした個別の至適Cut-off値設定による手法が検討され,その双方において良好ながん判別を得ることができた.免疫学的パラメーターの測定をがんスクリーニングに導入することは従来の検査手法では検出し難い,早期がんの発見にも役立つ可能性が示唆され,非常に有力ながん予防医学的手段であることを我々は初めて確認した.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.23.114