出生前診断された巨大仙尾部奇形腫の3例

出生前診断された巨大仙尾部奇形腫3症例を経験した.うち1症例では腫瘍切除中に,失血と高カリウム血症によると考えられる心停止を生じ,心肺蘇生術を要した.巨大仙尾部奇形腫症例では出生後24時間以内に手術を受けた新生児の死亡率は24%と高く,主に出血に対し慎重な管理を要する.大量出血時には輸血の急速静注を要するため,それに適した口径の大きい静脈ラインを確保することがより安全である.当院では症例1の経験を踏まえ,以降,上肢に24G,可能であれば22Gの末梢静脈路を2本確保することを第一選択とし,確保困難な場合には小児外科医によるカットダウン法で外頸静脈路を確保する方針とし,症例2および3では輸血の急速...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2024, Vol.60(2), pp.276-282
Hauptverfasser: 佐久間, 良一, 藤原, 信, 福原, 里恵, 古川, 亮, 藤村, 清香, 古森, 遼太, 市場, 啓嗣
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:出生前診断された巨大仙尾部奇形腫3症例を経験した.うち1症例では腫瘍切除中に,失血と高カリウム血症によると考えられる心停止を生じ,心肺蘇生術を要した.巨大仙尾部奇形腫症例では出生後24時間以内に手術を受けた新生児の死亡率は24%と高く,主に出血に対し慎重な管理を要する.大量出血時には輸血の急速静注を要するため,それに適した口径の大きい静脈ラインを確保することがより安全である.当院では症例1の経験を踏まえ,以降,上肢に24G,可能であれば22Gの末梢静脈路を2本確保することを第一選択とし,確保困難な場合には小児外科医によるカットダウン法で外頸静脈路を確保する方針とし,症例2および3では輸血の急速静注に対応できた.また過不足のない適切な輸血投与量の調節のためには,術中の血圧,心拍数以外の循環管理のモニタリングの確立が望まれる.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.60.2_276