当院で経験した妊娠中の尿崩症3例
尿崩症は口渇多飲多尿を主症状とし,中枢性,腎性,胎盤由来のバソプレシナーゼの過剰に関連した妊娠性に大別される.妊娠合併症としては稀だが,病態の異なる3例を経験した.症例1は21歳の初産婦で,妊娠37週に妊娠高血圧症候群のため緊急帝王切開となり,術後の多飲多尿を契機に尿崩症と診断された.胎盤880gと巨大であり,バソプレシナーゼの産出過剰による妊娠性尿崩症が疑われた.症例2は33歳の初産婦で,肝機能障害に伴うバソプレシナーゼの代謝低下による妊娠性尿崩症が疑われたが,急性妊娠性脂肪肝といった妊娠中の重篤な肝疾患を否定しきれず,妊娠37週に帝王切開を施行した.症例3は下垂体腫瘍の既往がある中枢性尿崩...
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Veröffentlicht in: | 日本周産期・新生児医学会雑誌 2024, Vol.60(1), pp.161-165 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 尿崩症は口渇多飲多尿を主症状とし,中枢性,腎性,胎盤由来のバソプレシナーゼの過剰に関連した妊娠性に大別される.妊娠合併症としては稀だが,病態の異なる3例を経験した.症例1は21歳の初産婦で,妊娠37週に妊娠高血圧症候群のため緊急帝王切開となり,術後の多飲多尿を契機に尿崩症と診断された.胎盤880gと巨大であり,バソプレシナーゼの産出過剰による妊娠性尿崩症が疑われた.症例2は33歳の初産婦で,肝機能障害に伴うバソプレシナーゼの代謝低下による妊娠性尿崩症が疑われたが,急性妊娠性脂肪肝といった妊娠中の重篤な肝疾患を否定しきれず,妊娠37週に帝王切開を施行した.症例3は下垂体腫瘍の既往がある中枢性尿崩症合併の29歳初産婦で,分娩誘発を連日行うも成功せず,妊娠41週に緊急帝王切開となった.妊娠中の尿崩症は分娩後の生理的な尿量増加との鑑別や重篤疾患の除外が難しいが,慎重な評価,管理を要すると思われた. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.60.1_161 |