経腟分娩における止血の技術と工夫

「はじめに」分娩後異常出血の頻度は年々上昇傾向にある. これは社会や価値観の変化により妊娠年齢が高年齢化していることや生殖補助医療技術の発達によりこれまで妊娠に至らなかった基礎疾患を有する妊婦が増えてきたことなどによると考えられる. これらの対応の目安として産科危機的出血への対応指針があるものの, 一時は減少傾向にあった産科危機的出血による妊産婦死亡はまた上昇傾向にある. 本稿では妊産婦死亡を防ぐにあたり経腟分娩における止血の技術と工夫について述べる. 「全身状態の管理」産科危機的出血は外傷による出血と同じように, 突発かつ大量に出血するため, 急速に全身状態が悪化し, 消費性または希釈性の凝...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2024-04, Vol.59 (4), p.753-756
1. Verfasser: 竹田純
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」分娩後異常出血の頻度は年々上昇傾向にある. これは社会や価値観の変化により妊娠年齢が高年齢化していることや生殖補助医療技術の発達によりこれまで妊娠に至らなかった基礎疾患を有する妊婦が増えてきたことなどによると考えられる. これらの対応の目安として産科危機的出血への対応指針があるものの, 一時は減少傾向にあった産科危機的出血による妊産婦死亡はまた上昇傾向にある. 本稿では妊産婦死亡を防ぐにあたり経腟分娩における止血の技術と工夫について述べる. 「全身状態の管理」産科危機的出血は外傷による出血と同じように, 突発かつ大量に出血するため, 急速に全身状態が悪化し, 消費性または希釈性の凝固障害が起こりやすい. そのため, 会陰, 腟, 頸管裂傷などの止血処置もさることながら, 全身状態の安定化を図ることはとても重要である.
ISSN:1348-964X