先天性QT延長症候群合併妊娠の周産期管理

目的:先天性LQTS合併妊婦に対する当院の管理方針として,周産期母体心イベント予防のためβ遮断薬の積極的な導入と,児に対する胎児心磁図および胎児心臓超音波検査による出生前診断を行っており,これらの妥当性を検証する.方法:2013年から2022年までに当院で周産期管理を行った先天性LQTS合併妊娠の母児の診療録を後方視的に検討した.結果:対象は8症例10妊娠であった.妊娠中にβ遮断薬を服用した6妊娠では,母体心イベントを認めず,服用しなかった4妊娠のうち1例で産褥期に心イベントを認めた.全10妊娠に対し胎児心磁図・心臓超音波検査が行われ,3例で胎児LQTSが疑われ,5児が生後にLQTSと診断され...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2023, Vol.59(2), pp.187-193
Hauptverfasser: 大西, 優, 西田, 恵子, 小菅, 悠希, 鈴木, あすか, 渡辺, 麻紀子, 細川, 義彦, 阿部, 春奈, 眞弓, みゆき, 大原, 玲奈, 小畠, 真奈, 村上, 卓, 髙橋, 実穂, 濱田, 洋実, 佐藤, 豊実
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:先天性LQTS合併妊婦に対する当院の管理方針として,周産期母体心イベント予防のためβ遮断薬の積極的な導入と,児に対する胎児心磁図および胎児心臓超音波検査による出生前診断を行っており,これらの妥当性を検証する.方法:2013年から2022年までに当院で周産期管理を行った先天性LQTS合併妊娠の母児の診療録を後方視的に検討した.結果:対象は8症例10妊娠であった.妊娠中にβ遮断薬を服用した6妊娠では,母体心イベントを認めず,服用しなかった4妊娠のうち1例で産褥期に心イベントを認めた.全10妊娠に対し胎児心磁図・心臓超音波検査が行われ,3例で胎児LQTSが疑われ,5児が生後にLQTSと診断された.全例が心電図モニタリング下の分娩であり,帝王切開分娩が2例,経腟分娩が8例であった.結論:当院の先天性LQTS合併妊娠の管理方針により不良な周産期予後を回避できる可能性がある.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.59.2_187