三重県での妊婦CMV抗体スクリーニング - 初感染妊婦と非初感染妊婦からの先天性感染児の発生

【背景】我々は妊婦サイトメガロウイルス(CMV)抗体スクリーニングにより初感染妊婦を抽出し, その児において先天性CMV(cCMV)感染の検索を行ってきた. また, 一部の非初感染妊婦においても胎児/新生児異常の有無等によりcCMV感染の検索を行ってきた. 今回, 研究コホートをもとにpopulationにおける非初感染妊婦からのcCMV感染児の発生率を推測する. 【方法】倫理委員会の承認と患者同意を得て前向きコホート研究として妊婦抗体スクリーニングを行った. 初感染妊婦では全例で(最高リスク群), 非初感染妊婦では胎児/新生児異常を認める場合に(初感染以外の高リスク群), また, 胎児/新生...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2023-04, Vol.58 (4), p.915-918
Hauptverfasser: 鳥谷部邦明, 北村亜紗, 萩元美季, 池田智明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:【背景】我々は妊婦サイトメガロウイルス(CMV)抗体スクリーニングにより初感染妊婦を抽出し, その児において先天性CMV(cCMV)感染の検索を行ってきた. また, 一部の非初感染妊婦においても胎児/新生児異常の有無等によりcCMV感染の検索を行ってきた. 今回, 研究コホートをもとにpopulationにおける非初感染妊婦からのcCMV感染児の発生率を推測する. 【方法】倫理委員会の承認と患者同意を得て前向きコホート研究として妊婦抗体スクリーニングを行った. 初感染妊婦では全例で(最高リスク群), 非初感染妊婦では胎児/新生児異常を認める場合に(初感染以外の高リスク群), また, 胎児/新生児異常を認めなくとも新生児尿が入手できた場合に(低リスク群)cCMV感染を検索した. cCMV感染児の実数より発生率を推測し, population 1万例中のcCMV感染児数を求めた. 【結果】妊婦32,267例のうち, 非初感染妊婦は20,619例であり, 低リスク群439例からのcCMVは1例(発生率0.2%), 低リスク群に初感染以外の高リスク群を合算した496例からは2例(発生率0.4%)であった. Population 1万例中のcCMVは15例(低リスク群のみ. 発生率0.15%)ないし26例(低リスク群に初感染以外の高リスク群を合算. 発生率0.26%)と推測された. 【結論】Populationにおける非初感染妊婦からのcCMV発生率は初感染妊婦と同等ないしそれ以上であることが示唆された.
ISSN:1348-964X