シンポジウム2「両親のメンタルヘルスと新生児虐待」 座長のまとめ
本シンポジウムでは, 「両親のメンタルヘルスと新生児虐待」のテーマで, 4名の演者に御発表をいただいた. 各演者の発表要旨は以下のとおりである. 北村俊則氏は「周産期医療現場での新生児虐待」と題して, 児童虐待の10%が1歳未満, なかでも33%が生後1週間以内であり, とりわけ生まれた日または翌日の事象が際立っていること, 思春期のパーソナリティ障害に影響するのは児童期に受けた心理的虐待であること, 児童虐待を行う可能性は母と父がほぼ同等で, しかも両者が相関をもつことなどが報告された. これらのエビデンスを基礎として, 本シンポジウムでは効果的かつ効率的虐待防止・介入システムを策定するため...
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Veröffentlicht in: | 日本周産期・新生児医学会雑誌 2023-04, Vol.58 (4), p.693-693 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本シンポジウムでは, 「両親のメンタルヘルスと新生児虐待」のテーマで, 4名の演者に御発表をいただいた. 各演者の発表要旨は以下のとおりである. 北村俊則氏は「周産期医療現場での新生児虐待」と題して, 児童虐待の10%が1歳未満, なかでも33%が生後1週間以内であり, とりわけ生まれた日または翌日の事象が際立っていること, 思春期のパーソナリティ障害に影響するのは児童期に受けた心理的虐待であること, 児童虐待を行う可能性は母と父がほぼ同等で, しかも両者が相関をもつことなどが報告された. これらのエビデンスを基礎として, 本シンポジウムでは効果的かつ効率的虐待防止・介入システムを策定するためのキーワードとして「第一発見者が責任をもつ」を掲げ, 第一発見者が多職種連携の要となりリーダーとして機能することを前提に討論する方向性が示された. 次いで, 大橋優紀子氏は「新生児虐待を規定する両親のメンタルヘルスの問題は何か」として, 同氏により妊娠中から産後1カ月までの計234名の妊産婦を対象に調査された新生児への心理的虐待と親のメンタルヘルスとの問題の因果関係について報告がなされた. |
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ISSN: | 1348-964X |