色素失調症に小腸閉鎖症を合併した新生児の一例

色素失調症はNEMO遺伝子変異が原因で発症するX連鎖性顕性遺伝の母斑症だが,皮膚だけでなく中枢神経や眼などの神経外胚葉組織に合併症を呈することがある.しかし腸管奇形を合併することは稀である.今回,色素失調症に小腸閉鎖症を合併した女児の一例を経験した.在胎38週4日,身長48.0cm,体重2,436g,Apgar score7点/8点(1分/5分)で出生した.出生時より皮膚にびらん,一部疣状化を認め,先天性皮膚疾患の疑いで入院となった.その後行った皮膚生検で色素失調症の病理診断となった.一方で経腸栄養が進まず,試験開腹にて小腸閉鎖症を認め,端々吻合を行ったが術後も拡張腸管が残存し,最終的に拡張腸...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2022, Vol.58(3), pp.583-587
Hauptverfasser: 野村, 真也, 中田, 裕生, 土本, 啓嗣, 金澤, 亜錦, 佐々木, 潔
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:色素失調症はNEMO遺伝子変異が原因で発症するX連鎖性顕性遺伝の母斑症だが,皮膚だけでなく中枢神経や眼などの神経外胚葉組織に合併症を呈することがある.しかし腸管奇形を合併することは稀である.今回,色素失調症に小腸閉鎖症を合併した女児の一例を経験した.在胎38週4日,身長48.0cm,体重2,436g,Apgar score7点/8点(1分/5分)で出生した.出生時より皮膚にびらん,一部疣状化を認め,先天性皮膚疾患の疑いで入院となった.その後行った皮膚生検で色素失調症の病理診断となった.一方で経腸栄養が進まず,試験開腹にて小腸閉鎖症を認め,端々吻合を行ったが術後も拡張腸管が残存し,最終的に拡張腸管切除,小腸小腸吻合術を行った.その後経過良好で日齢80に退院した.遺伝子検査ではNEMO遺伝子exon4-10欠失型が同定された.色素失調症と小腸閉鎖症の合併は過去に報告がなく,偶発的に合併した可能性を考えた.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.58.3_583