妊娠中に脳動脈瘤破裂を来した遺伝性出血性末梢血管拡張症合併妊婦の1例
遺伝性出血性末梢血管拡張症は常染色体優性遺伝の疾患で,①遺伝的発生,②皮膚・粘膜および内蔵の多発性末梢血管拡張,③それらの部位からの反復する出血,を3主徴とする疾患であり,本症を合併した妊婦で,妊娠経過中に脳出血を発症した症例の報告は少ない.症例は28歳2妊0産,脳動静脈奇形合併妊娠のため周産期管理目的に当科紹介受診した.妊娠31週より尿蛋白が出現したが,血圧の上昇はなかった.妊娠37週3日に頭痛と嘔吐が出現し来院した.MRI検査で脳出血を認め,意識障害が出現したため,緊急帝王切開術と脳室ドレナージ術を施行した.術後のCT検査で新規の脳動脈瘤破裂と診断されコイル塞栓術を施行した.後遺障害はなか...
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Veröffentlicht in: | 日本周産期・新生児医学会雑誌 2022, Vol.58(3), pp.533-537 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 遺伝性出血性末梢血管拡張症は常染色体優性遺伝の疾患で,①遺伝的発生,②皮膚・粘膜および内蔵の多発性末梢血管拡張,③それらの部位からの反復する出血,を3主徴とする疾患であり,本症を合併した妊婦で,妊娠経過中に脳出血を発症した症例の報告は少ない.症例は28歳2妊0産,脳動静脈奇形合併妊娠のため周産期管理目的に当科紹介受診した.妊娠31週より尿蛋白が出現したが,血圧の上昇はなかった.妊娠37週3日に頭痛と嘔吐が出現し来院した.MRI検査で脳出血を認め,意識障害が出現したため,緊急帝王切開術と脳室ドレナージ術を施行した.術後のCT検査で新規の脳動脈瘤破裂と診断されコイル塞栓術を施行した.後遺障害はなかった.術後にクモ状血管腫と鼻出血の既往を確認し,本症の診断に至った.本症患者は,妊娠中に脳出血を起こすことがあり,妊娠前から管理が必要であり,脳出血発症時は他科と協力し迅速な対応が必要である. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.58.3_533 |