子宮頸管熟化不全に対するジノプロストン腟用剤と器械的熟化法の有用性の比較検討

子宮頸管熟化不全症例に対する初回治療としてのジノプロストン腟用剤と器械的熟化法の臨床成績を後方視的に比較検討した.患者背景,新生児予後は両群で差を認めず,分娩および退院までの所要時間はともに腟用剤群で有意に短縮していた.さらに,腟用剤群は使用後の陣痛促進剤使用率が低く,24時間以内に分娩となった割合が有意に多かった.母体合併症などの理由で妊娠37週もしくは38週台で分娩誘発を施行した症例では,両群とも合併症の増悪により使用中止となった症例はなく,退院までの所要日数は腟用剤群で有意に短縮していた.以上より,ジノプロストン腟用剤は器械法よりも分娩,退院までの時間を短縮することができ,母体合併症を有...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2022, Vol.58(3), pp.498-503
Hauptverfasser: 登内, 恵里子, 山脇, 芳, 生野, 寿史, 西島, 浩二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:子宮頸管熟化不全症例に対する初回治療としてのジノプロストン腟用剤と器械的熟化法の臨床成績を後方視的に比較検討した.患者背景,新生児予後は両群で差を認めず,分娩および退院までの所要時間はともに腟用剤群で有意に短縮していた.さらに,腟用剤群は使用後の陣痛促進剤使用率が低く,24時間以内に分娩となった割合が有意に多かった.母体合併症などの理由で妊娠37週もしくは38週台で分娩誘発を施行した症例では,両群とも合併症の増悪により使用中止となった症例はなく,退院までの所要日数は腟用剤群で有意に短縮していた.以上より,ジノプロストン腟用剤は器械法よりも分娩,退院までの時間を短縮することができ,母体合併症を有する頸管熟化不全症例に対しても有用な薬剤であることが明らかとなった.一方,ジノプロストン腟用剤使用中に子宮頻収縮や胎児機能不全を生じることがあるため,使用法を遵守した慎重な管理が必要である.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.58.3_498