分娩時出血に備えた自己血の適切な貯血量

【目的】分娩前の最適な自己血貯血量を決定することを目的とした.【方法】2015年1月から2019年3月に当院で自己血貯血と分娩を行った症例の診療録を後方視的に調査した.貯血プロトコルのモデルによるシミュレーションを行い,最適な貯血量を検討した.【結果】対象の55例の自己血貯血の適応は,前置胎盤(51%),稀な血液型や不規則抗体陽性(27%),癒着胎盤(11%)が多かった.貯血量は平均757mL,自己血輸血量は平均486mLで,6例で同種血輸血を実施した.シミュレーションでは,稀な血液型などでは自己血貯血量は400mL,低置胎盤,前置胎盤,癒着胎盤疑いは800mLとし,超音波検査で胎盤ラクナを認...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2022, Vol.58(3), pp.486-491
Hauptverfasser: 渡邉, 憲和, 山内, 敬子, 伊藤, 友理, 渡邉, 真理子, 出井, 麗, 深瀬, 実加, 永瀬, 智
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】分娩前の最適な自己血貯血量を決定することを目的とした.【方法】2015年1月から2019年3月に当院で自己血貯血と分娩を行った症例の診療録を後方視的に調査した.貯血プロトコルのモデルによるシミュレーションを行い,最適な貯血量を検討した.【結果】対象の55例の自己血貯血の適応は,前置胎盤(51%),稀な血液型や不規則抗体陽性(27%),癒着胎盤(11%)が多かった.貯血量は平均757mL,自己血輸血量は平均486mLで,6例で同種血輸血を実施した.シミュレーションでは,稀な血液型などでは自己血貯血量は400mL,低置胎盤,前置胎盤,癒着胎盤疑いは800mLとし,超音波検査で胎盤ラクナを認めた症例で400mLを追加するモデルで,最も自己血廃棄量と同種血使用量を低減できると推測された.【考察】適応と超音波検査から自己血貯血量を最適化できる可能性が示唆された.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.58.3_486