母乳の中断による新生児薬物離脱症候群の再燃が疑われた早産児例

症例はエチゾラム,ベンラファキシンを内服中の母体から在胎36週1日に出生した出生体重2,155gの男児.新生児薬物離脱症候群(Neonatal Abstinence Syndrome:NAS)に対して日齢2にフェノバルビタールを開始し離脱症状は改善したが,傾眠,哺乳不良,体重増加不良は持続した.日齢2から母乳を含む混合栄養を継続していたが,日齢12に人工乳のみへと切り替わった際,離脱症状の再燃を認めた.離脱症状が自然消退した以降は,活動性,哺乳量,体重増加も改善した.以上の経過から,フェノバルビタール開始後も持続した症状は母乳に移行した母体内服薬による新生児適応不全であり,一方で,母乳中断後の...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2022, Vol.58(2), pp.329-333
Hauptverfasser: 井上, 翔太, 吉田, 裕輔, 横井, 太郎, 川村, 陽一, 黒木, 康富
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例はエチゾラム,ベンラファキシンを内服中の母体から在胎36週1日に出生した出生体重2,155gの男児.新生児薬物離脱症候群(Neonatal Abstinence Syndrome:NAS)に対して日齢2にフェノバルビタールを開始し離脱症状は改善したが,傾眠,哺乳不良,体重増加不良は持続した.日齢2から母乳を含む混合栄養を継続していたが,日齢12に人工乳のみへと切り替わった際,離脱症状の再燃を認めた.離脱症状が自然消退した以降は,活動性,哺乳量,体重増加も改善した.以上の経過から,フェノバルビタール開始後も持続した症状は母乳に移行した母体内服薬による新生児適応不全であり,一方で,母乳中断後の症状の再燃はNASの再燃が疑われた.NASは出生後のみならず母乳中断時にも再燃する危険性が示唆され,注意深いモニタリングが必要である.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.58.2_329