未熟児網膜症に対する抗VEGF療法が中枢神経予後に与える影響の検討

今回我々は当院で2008年1月から2019年12月に出生し,管理した超低出生体重児のうち,未熟児網膜症の治療を行い,かつ修正1歳半以後で予後評価した58例を対象とし,光凝固療法群38例と抗VEGF療法群20例で中枢神経学的予後を比較した.重度神経障害ありはGMFCSレベル3以上脳性麻痺,修正1歳半以後の総DQまたは全検査IQが70未満のうち最低1つを満たす症例,神経障害ありは,GMFCS分類レベル1以上の脳性麻痺,総DQまたは全検査IQが85未満,自閉スペクトラム症のうち少なくとも1つを満たす症例と定義した.光凝固療法群対抗VEGF療法群でそれぞれ,再治療率は16%対10%,完全網膜剥離率は0...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2022, Vol.58(2), pp.250-257
Hauptverfasser: 野呂, 歩, 水島, 正人, 内田, 雅也, 塩野, 展子, 里見, 達郎, 本庄, 遼太, 木下, 貴正
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今回我々は当院で2008年1月から2019年12月に出生し,管理した超低出生体重児のうち,未熟児網膜症の治療を行い,かつ修正1歳半以後で予後評価した58例を対象とし,光凝固療法群38例と抗VEGF療法群20例で中枢神経学的予後を比較した.重度神経障害ありはGMFCSレベル3以上脳性麻痺,修正1歳半以後の総DQまたは全検査IQが70未満のうち最低1つを満たす症例,神経障害ありは,GMFCS分類レベル1以上の脳性麻痺,総DQまたは全検査IQが85未満,自閉スペクトラム症のうち少なくとも1つを満たす症例と定義した.光凝固療法群対抗VEGF療法群でそれぞれ,再治療率は16%対10%,完全網膜剥離率は0%対0%,重度神経障害ありは29%対25%,神経障害ありは53%対40%,脳性麻痺ありは16%対10%で,いずれも有意差はなかった.抗VEGF療法は未熟児網膜症に有効かつ安全な治療と考えられた.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.58.2_250