妊娠時期により下大静脈フィルター挿入の適応が異なった静脈血栓塞栓症合併妊娠の管理経験
深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PTE)は一連の疾患概念であり,静脈血栓塞栓症(VTE)と称される.妊娠第1三半期にVTEを発症した症例1は,PTE併発のため一時的下大静脈(IVC)フィルターを留置したが,抗凝固療法後にIVCフィルターを抜去し,経腟分娩することができた.妊娠第3三半期にVTEを発症した症例2は,腸骨静膜血栓の器質化・消退を確認できぬまま陣痛が発来してしまい,経腟分娩の直前に一時的IVCフィルター留置を要した.妊娠第1三半期と妊娠第3三半期では,VTEの発症メカニズムや分娩までの時間的猶予が異なり,IVCフィルター留置の適応など,VTEの管理ポイントにいくつかの差異が存...
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Veröffentlicht in: | 日本周産期・新生児医学会雑誌 2022, Vol.58(1), pp.120-125 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PTE)は一連の疾患概念であり,静脈血栓塞栓症(VTE)と称される.妊娠第1三半期にVTEを発症した症例1は,PTE併発のため一時的下大静脈(IVC)フィルターを留置したが,抗凝固療法後にIVCフィルターを抜去し,経腟分娩することができた.妊娠第3三半期にVTEを発症した症例2は,腸骨静膜血栓の器質化・消退を確認できぬまま陣痛が発来してしまい,経腟分娩の直前に一時的IVCフィルター留置を要した.妊娠第1三半期と妊娠第3三半期では,VTEの発症メカニズムや分娩までの時間的猶予が異なり,IVCフィルター留置の適応など,VTEの管理ポイントにいくつかの差異が存在した. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.58.1_120 |