生後早期のエベロリムス投与が奏功した心横紋筋腫合併結節性硬化症の早産児双胎例

結節性硬化症(tuberous sclerosis complex;TSC)に対するエベロリムスの効果は幅広く,新生児の心横紋筋腫に対しても早期の腫瘍容積の縮小効果が期待できる.エベロリムスの治療適応が結節性硬化症全体に拡大し,日本結節性硬化症学会から新生児心横紋筋の治療についてのエキスパートオピニオンが提示されたことにより,今後は新生児領域での標準治療になると考えられる.今回我々は在胎35週5日,2,488gで出生した心横紋筋腫合併の早産児に対して,TSCと診断しエベロリムスの投与を行った.早産児に対してのエベロリムスの投与については,至適用量や血中濃度の推移について経験の蓄積が少ない.両親...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2021, Vol.57(2), pp.376-380
Hauptverfasser: 羽根, 将之, 横倉, 友諒, 宮林, 和紀, 井福, 真友美, 大川, 夏紀, 寒竹, 正人, 東海林, 宏道, 池野, 充, 福永, 英生, 清水, 俊明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:結節性硬化症(tuberous sclerosis complex;TSC)に対するエベロリムスの効果は幅広く,新生児の心横紋筋腫に対しても早期の腫瘍容積の縮小効果が期待できる.エベロリムスの治療適応が結節性硬化症全体に拡大し,日本結節性硬化症学会から新生児心横紋筋の治療についてのエキスパートオピニオンが提示されたことにより,今後は新生児領域での標準治療になると考えられる.今回我々は在胎35週5日,2,488gで出生した心横紋筋腫合併の早産児に対して,TSCと診断しエベロリムスの投与を行った.早産児に対してのエベロリムスの投与については,至適用量や血中濃度の推移について経験の蓄積が少ない.両親と二絨毛膜二羊膜性双胎の同胞を含めて遺伝子解析の事前の入念な遺伝子カウンセリングを必要とし,実施結果で孤発例と診断したためここに報告する.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.57.2_376