上気道閉塞を呈し喉頭気管分離を行った幽門閉鎖合併先天性表皮水疱症の一例
【序文】先天性表皮水疱症は,表皮真皮間の接着蛋白の異常を伴う先天性疾患で,皮膚粘膜の剝脱以外に様々な合併症を来すことがある.今回,我々は上気道閉塞の合併症に対して喉頭気管分離術を施行した先天性表皮水疱症の一例を経験した. 【症例】40週5日,1,912gで出生した女児.胎児期から幽門閉鎖が疑われ,帝王切開で出生後に四肢の表皮剥脱と皮膚擦過部の水疱形成を認め,後に幽門閉鎖合併表皮水疱症の診断が確定した.生後早期から嚥下困難を認め,生後3カ月頃から頸部陥没が出現した.生後7カ月の喉頭ファイバーで声門上部の浮腫を認め,その後上気道閉塞症状が増悪し,気管挿管を行い,誤嚥リスクから喉頭気管分離術を施行し...
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Veröffentlicht in: | 日本周産期・新生児医学会雑誌 2020, Vol.56(3), pp.487-491 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【序文】先天性表皮水疱症は,表皮真皮間の接着蛋白の異常を伴う先天性疾患で,皮膚粘膜の剝脱以外に様々な合併症を来すことがある.今回,我々は上気道閉塞の合併症に対して喉頭気管分離術を施行した先天性表皮水疱症の一例を経験した. 【症例】40週5日,1,912gで出生した女児.胎児期から幽門閉鎖が疑われ,帝王切開で出生後に四肢の表皮剥脱と皮膚擦過部の水疱形成を認め,後に幽門閉鎖合併表皮水疱症の診断が確定した.生後早期から嚥下困難を認め,生後3カ月頃から頸部陥没が出現した.生後7カ月の喉頭ファイバーで声門上部の浮腫を認め,その後上気道閉塞症状が増悪し,気管挿管を行い,誤嚥リスクから喉頭気管分離術を施行した.術後,呼吸症状は軽減し,誤嚥性肺炎の頻度も減少した. 【まとめ】先天性表皮水疱症患者に気道合併症が起こる事があり,時に重篤化する.本例の気道病変に関する経過とその原因について文献的考察を含めて報告する. |
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ISSN: | 1348-964X 2435-4996 |
DOI: | 10.34456/jjspnm.56.3_487 |