当院における精神疾患合併妊娠に関する検討

目的:精神疾患合併妊娠の予後について検討した. 方法:2013年1月から2017年12月に当院で周産期管理を行った146例の精神疾患合併単胎妊娠について後方視的に検討した. 結果:病状悪化を36例に認め,32例が妊娠中であった.妊娠前から薬物療法ありの83例について,治療継続49例のうち病状が悪化したのは7例(14%),妊娠を契機に減量・中断した34例のうち病状が悪化したのは14例(41%)(オッズ比3.30, 95% CI:1.07−10.23)であった.新生児の29例(20.0%)が新生児科入院となり,そのうち薬物離脱症候群は5例であった. 結論:精神疾患は妊娠に伴い病状が悪化する可能性が...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2020, Vol.56(1), pp.49-54
Hauptverfasser: 三輪, 照未, 三輪, 一知郎, 讃井, 裕美, 縄田, 慈子, 濱野, 弘樹, 長谷川, 恵子, 佐世, 正勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:精神疾患合併妊娠の予後について検討した. 方法:2013年1月から2017年12月に当院で周産期管理を行った146例の精神疾患合併単胎妊娠について後方視的に検討した. 結果:病状悪化を36例に認め,32例が妊娠中であった.妊娠前から薬物療法ありの83例について,治療継続49例のうち病状が悪化したのは7例(14%),妊娠を契機に減量・中断した34例のうち病状が悪化したのは14例(41%)(オッズ比3.30, 95% CI:1.07−10.23)であった.新生児の29例(20.0%)が新生児科入院となり,そのうち薬物離脱症候群は5例であった. 結論:精神疾患は妊娠に伴い病状が悪化する可能性があり,特に妊娠に伴う治療の減量・中断は有意に病状の悪化を引き起こすため注意が必要である.新生児は新生児科管理を必要とする可能性があり,精神疾患合併妊娠は新生児の治療が可能な周産期センターでの管理が望ましい.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.56.1_49