成人期発症1型糖尿病患者におけるセルフケア能力に関連する心理・社会的要因

本研究の目的は,成人期発症1型糖尿病患者のセルフケア能力に関連している心理・社会的要因を明らかにすることである.成人期に1型糖尿病と診断された患者98名を対象に,無記名の自記式質問紙調査を実施し,セルフケア能力と,病気の不確かさ,首尾一貫感覚(SOC),家族サポートとの関連を共分散構造分析で解析した.有効回答者数は92名であった.分析の結果,セルフケア能力に関連する要因は,家族サポート,病気の不確かさの下位尺度<情報解釈の複雑性>,SOCであった.また,セルフケア能力には,家族サポートと病気の不確かさの下位尺度<闘病力への自信の揺らぎ><生活予測不能性>から,SOCを介した間接効果も認められた...

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Veröffentlicht in:日本糖尿病教育・看護学会誌 2021/06/30, Vol.25(1), pp.83-92
Hauptverfasser: 中島 啓子, 安東 由佳子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は,成人期発症1型糖尿病患者のセルフケア能力に関連している心理・社会的要因を明らかにすることである.成人期に1型糖尿病と診断された患者98名を対象に,無記名の自記式質問紙調査を実施し,セルフケア能力と,病気の不確かさ,首尾一貫感覚(SOC),家族サポートとの関連を共分散構造分析で解析した.有効回答者数は92名であった.分析の結果,セルフケア能力に関連する要因は,家族サポート,病気の不確かさの下位尺度<情報解釈の複雑性>,SOCであった.また,セルフケア能力には,家族サポートと病気の不確かさの下位尺度<闘病力への自信の揺らぎ><生活予測不能性>から,SOCを介した間接効果も認められた.家族サポートからセルフケア能力への直接効果と総合効果が,他のパス係数と比較して高値であったことから,家族サポートがセルフケア能力に及ぼす影響が大きいと考えられ,家族によるサポートを支援する看護ケアの重要性が示唆された.
ISSN:1342-8497
2432-3713
DOI:10.24616/jaden.25.1_83