2017–2019年における伊勢湾最奥の名古屋港に来遊したスナメリの音響記録

伊勢湾最奥に位置する名古屋港において,スナメリ(Neophocaena asiaeorientalis sunameri)の来遊状況を把握することを目的に,ステレオ式水中音響記録計によるスナメリの定点音響調査を行った.調査期間は港中央のSt.1にて2017年3月から2018年3月,港最奥のSt.2にて2018年7月から2019年7月であった.記録されたエコーロケーションのための鳴音であるクリック列は,合計2,553個(St.1 1,079個,St.2 1,474個)であった.記録されたクリック列はSt.1にて冬季,St.2にて春季に多くなった.さらに,両地点とも日中よりも夜間にクリック列が多く...

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Veröffentlicht in:哺乳類科学 2024, Vol.64(2), pp.207-213
Hauptverfasser: 吉田, 弥生, 木村, 里子, 神田, 幸司, 栗田, 正徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:伊勢湾最奥に位置する名古屋港において,スナメリ(Neophocaena asiaeorientalis sunameri)の来遊状況を把握することを目的に,ステレオ式水中音響記録計によるスナメリの定点音響調査を行った.調査期間は港中央のSt.1にて2017年3月から2018年3月,港最奥のSt.2にて2018年7月から2019年7月であった.記録されたエコーロケーションのための鳴音であるクリック列は,合計2,553個(St.1 1,079個,St.2 1,474個)であった.記録されたクリック列はSt.1にて冬季,St.2にて春季に多くなった.さらに,両地点とも日中よりも夜間にクリック列が多くなった.クリック列の平均クリック間隔の最頻値はSt.1にて26ミリ秒,St.2にて12から32ミリ秒の範囲となり,観測地点間で異なっていた.クリック間隔はSt.1よりSt.2の方で,10ミリ秒以下の摂餌努力量の指標となる間隔が多く記録された.地点間のクリック間隔の違いは同じ港湾内において,特定場所の利用目的の違いに起因する可能性がある.
ISSN:0385-437X
1881-526X
DOI:10.11238/mammalianscience.64.207